20代でマイホームは早すぎる!?知っておきたい住宅ローン事情

いつかマイホームを持ちたい!そう夢見ている人は多いはず。でも、マイホームを持つためには多額な資金が必要となります。だからこそ、若いうちからマイホームを持って住宅ローンを支払い始めた方が良いのでは?と考える人も少なくないでしょう。

では、20代でマイホームを持つことはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。また、毎月の住宅ローン支払い額はどのくらいになるのでしょうか。20代でマイホームを持つにあたって是非知っておきたい情報を詳しくご紹介していきましょう。

20代で家を買うメリットとデメリット

家を買う時は、ローンのことも考えると出来るだけ早い方が良いと聞くこともありますが、早く買うと後から苦労するかもしれないよ、と言われることもあります。

20代で家を買うときに、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

20代で家を買う4つのメリット

まずは、20代で家を買うメリットを見ていきます。それが、以下の4つです。

  • 賃貸に支払う家賃を抑えられる
  • 長期でローンを組むことができる
  • 将来的に返済負担が軽くなる
  • 借入金額が高額にならない

詳しく見ていきましょう。

メリット 内容
賃貸に支払う家賃を抑えられる ・早くで持ち家を購入すれば
 賃貸物件に住む期間が短くなるので
 家賃にかかる費用を抑えることが可能
長期でローンを組むことができる ・定年まで時間があるため
 長期でのローンが可能
将来的に返済負担が軽くなる ・今後年収が上がることが見込めるので
 同じ返済額でも将来的に返済負担は
 軽くなる
借入金額が高額にならない ・20代はまだ年収が低いため
 借りられる金額が比較的限られる
・借入金額が抑えられれば
 返済負担も軽くなる

20代という早いタイミングでマイホームを購入すると言うことは、長期で、比較的負担の少ない金額でのローン利用になる可能性が高くなります。

つまり、20代で家を購入するメリットとしては将来的に負担を抑えることができるという点にあるのです。

年齢が上になればなるほど、ローンを組む期間は短くなってしまいます。ですから、長期で比較的無理なく返済できるというのは嬉しいですよね。

20代で家を購入するのは、良いことばかりなようですね。

早く買えば買うほど、結果的に費用を抑えられるなら購入を検討しておけば良かったです。

確かにメリットもありますが、早く購入してしまうとライフスタイルの変化に対応できない恐れもあります。

デメリットもしっかりチェックして考えたいところです。

20代ではなく年齢が上になったとき、例えば50歳で家を買うという場合にはどのようなメリットがあるのか興味がある方については、こちらの記事をチェックしてみてください。

20代で家を買う3つのデメリット

20代で家を買うということには、3つのデメリットがあります。

  • 結婚や出産、転職リスクがある
  • 支払利息が膨らむ
  • 借入金額が少額になる

それぞれについて、一覧で解説します。

デメリット 内容
結婚や出産、転職リスクがある ・家族構成や職業が変われば
 家を手放さなければいけない
 可能性もある
支払利息が膨らむ ・返済期間が長期になればなるほど
 支払う金利総額が膨らむ
・短期で一気に返済した方が
 支払い利息は抑えられる
借入金額が少額になる ・年収を基準として借入可能額が算出
・まだ収入が低く勤続年数も短い20代は
 借入可能額が少額になる可能性がある

20代は、まだ生活環境が固まっていない状態となっています。

ですから、生活の変化に伴うリスクがあるのに加え、年収がまだ低いと言うことでローンの借り入れ可能額が少なくなってしまうというデメリットが出てくるのです。

住宅購入者が最も多いのは30代となっているのは、結婚や出産などライフスタイルがある程度固まっているからだと言えますね。

30代で家を買うことについては、こちらで特集しています。

早くから住宅ローンを借りた方がゆっくり余裕をもって返済できると思ったけど、それで利息の支払い額が増えるとか、借入額が少なくなるとか家を手放す可能性があるって言われると、ちょっと悩んじゃうね…。

夢のマイホームを20代で手に入れる注意点とは

メリットとデメリットをチェックしたところで、20代だからこそ注意したいマイホーム購入のポイントについてご紹介していきましょう。

注意点は、ズバリ以下の3点です。

  • 売却する時のことを考える
  • 収入が減った時のことを考える
  • 金利をチェックする

それぞれのポイントについてご紹介します。

売却する時のことを考える

20代で家を購入した場合、その後のライフスタイルの変化が生じる可能性も大いにあります。

つまり、結婚、出産、転職、転勤などですね。せっかく購入した家を手放して引っ越さなければいけないとなったとき、家が売れなければ困ってしまいます。

ですから、売却するときのことをしっかりと考えておく必要があるのです。

立地、間取りなど、いざという時のことも考えて購入を検討するようにしましょう。

収入が減った時のことを考える

20代で得られている収入が、今後もずっと継続して得られるとは限りません。会社の状況が変わるだけでなく、自身の転職などによって収入が減る可能性もあります。

通常であれば、勤続年数が長くなるにつれて収入も上がっていくので、ローン返済は楽になると考えているはずですよね。

しかし、収入が減ってしまえばローン返済が苦しくなるかもしれません。まだ収入が安定しない早い段階で住宅ローンを利用するということに、注意が必要です。

金利をチェックする

住宅ローンは、借入額が大きくなるからこそ少しの金利差が返済総額に影響してしまいます。ですから、できるだけ金利が低い住宅ローンを選ぶようにしておきましょう。

住宅ローンには、固定金利、変動金利、期間固定金利といった種類があるので、自分が納得できるものを選びたいものです。

住宅ローンの金利について知りたい方はコチラへ

住宅ローンは金利が低ければ低いほど良いってこと?
金利が低ければ返済負担がそれだけ軽くなりますので、金利は非常に重要なポイントです。その金利が固定なのか、変動なのかも、しっかり確認しておきたいですね。

住宅ローンを選ぶポイントについては、後ほど詳しくご紹介します。

20代の住宅ローン相場はいくら?

20代で家を購入するために必要不可欠なのが、住宅ローンです。20代でも住宅ローン審査に通ることは可能ですが、まだ十分な貯蓄がない状態で家を買うことになります。

20代では、どのくらいの金額が借りられるのでしょうか。20代の平均年収を300万円として、見ていきます。

まず、住宅ローンで借り入れできる金額の返済比率の目安は年収の25~35%前後だと言われています。

つまり、年収が300万円となれば、その750,000円~1,050,000円が返済目安となるわけです。月額で計算すれば、62,500円~87,500円の返済ですね。

ここでは、毎月返済額を75,000円として考えてみます。金利を1%と設定した場合、借入期間に応じた借入可能額は以下の通りです。

借入期間 借入可能額
25年 約1,990万円
30年 約2,330万円
35年 約2,650万円

つまり、2,000万円程度の借入になるということですね。思ったよりも少ないと感じるかもしれませんが、年収から借入可能額を考えるとこれぐらいが相場になってしまうのです。

年収が上がれば借入可能額も増えます。ですから、20代で購入するかどうかは購入したい物件の価格などによっても考えなければいけません。

借入可能額は年収によっては希望金額に届かないこともあるのですか…。

でも、このくらいの金額が借り入れできるということは、返済も無理なくできる金額になっていると考えて良いわけですよね?

そうではありません。借り入れ可能金額は銀行側の判断であり、負担なく返済できる金額とは限らないのです。

また、家族構成や毎月の支出など個人差もありますから、そこはやはり自分で判断すべき点になってくるでしょう。

20代の平均家賃が65,000円であることを考えると、毎月75,000円のローン返済はなかなか負担が大きくなります。安易に借り入れできる金額であれば返済可能だと考えないようにしたいですね。

住宅ローン金額は35年間一定金額を返済できるかどうかで計算を

住宅ローンは、収入が増えれば毎月の返済額を増やしても良い、逆に繰り上げ返済ができれば毎月の返済額が減る、もしくは返済期間が短くなる、と言われることもあります。

ただ、住宅ローン利用時にはこの”もしも”の話を鵜呑みにしてはいけません。

住宅ローンは、35年なら35年という一定期間、毎月同じ金額を返済し続けることができるかどうかを基準に考える必要があるのです、

20代にオススメの住宅ローンの選び方

20代で住宅ローンを選ぶのであれば、繰り上げ返済のしやすさに注目してみましょう。

出来るだけ短期で、もしくは支払利息を抑えようと思えば、繰り上げ返済をすることが望ましいですね。繰り上げ返済で返済元金を減らせば、返済総額の減額、返済期間の短縮が可能です。

ただ、繰り上げ返済をする際には繰り上げ返済手数料がかかる、繰り上げ返済の回数制限があるといった場合もあります。

それらの条件もチェックし、繰り上げ返済がしやすい住宅ローンを選択すると良いでしょう。

繰り上げ返済の特集記事もありますので、是非ご覧ください。

20代で家を購入するときは将来設計を考えた上で検討を

20代で家を購入すると、余裕をもってローンを返済できる、賃貸物件に住むとかかる家賃を抑えることができるというメリットがあります。

ただ、その一方で20代は家族構成や職業、居住地が変わる可能性もあり、せっかく手に入れたマイホームを手放すリスクもありますし、年収が低いため借り入れローン金額が少額になるデメリットもあります。

20代で家を購入する際には、将来設計をよく考えた上で検討すると良いでしょう。

監修者メッセージ

年収が少なく借入金額が少ないということは、物件価格も低めということ。住宅の規模が小さいとか利便性があまりよくないなど、低予算でも購入できる物件を取得する可能性が高いでしょう。家族構成の変化などに対応するため住替えが予想されるケースです。

余裕が持てたら繰上げ返済をするなど、有利な条件を整えたいですね。

プロフィール
不動産売却カテゴリー記事監修(弘中純一)
弘中 純一
宅地建物取引士、一級建築士の資格を保有。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。

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