40歳からの住宅ローンにはメリットも多い!?その秘密を徹底解説
20代はお金がない、30代は結婚出産でバタバタ、そうなれば、ようやく落ち着いてくるのが40代ということになります。
だからこそ、40歳から住宅購入を考える人が増えてくるわけですね。遅いかな?と思われる40代からの住宅購入ですが、実は40歳から住宅ローンを利用するメリットも多いのです。
40歳からの住宅ローンのメリット、そして注意すべきデメリットについて、詳しくご紹介していきましょう。
40歳で住宅ローンを利用するメリット・デメリット
まずは、40歳で住宅ローンを利用するにあたって、基本的な情報を押さえておきましょう。
多くの人が不安を感じているのは、以下の3点ではないでしょうか。
- 40歳から家を買うのは遅いのでは?
- ローン審査に通らないのでは?
- 長期ローン返済が出来ないのでは?
実は、これらは全て心配する必要はありません。きちんとポイントさえ押さえていれば、40歳からのマイホームは多くのメリットもあるのです。
年齢別の住宅購入事情について興味がある方には、こちら家を購入するベストな年齢は?各年代で購入する際の注意点もご紹介の記事がオススメです。
まずは、40代の住宅購入についてのメリット・デメリットをチェックしていきましょう。
40代で住宅を購入する3つのメリット
では、まず40代で住宅を購入するメリットについて見ていきましょう。
- 家族構成や就職などが安定している
- 収入が増えている
- マイホームの劣化が遅い
40代は、結婚や出産、転職と言ったライフスタイルの変化が一通り終わり、安定している時期です。
また、20代、30代よりも収入が増えていますので、毎月同じ金額を返済するなら、20代・30代よりも無理なく返済できるのです。
更に、30歳で家を購入した場合は60歳になると築30年となり、リフォームなどを検討し始めなければいけません。30年ローンで購入していたのであれば、ローン返済と同時にリフォームが始まってしまいます。
しかし、40歳でマイホームを購入すれば、同じ60歳になったときでまだ築20年です。このように、同じ年齢になったときのマイホームの劣化具合が異なるのもメリットですね。
早く買いすぎてライフスタイルの変化で家を手放さなければいけない可能性があることを考えると、40歳を超えて引っ越しの心配がない、間取りが決まっているというのは大きなメリットと言えるのです。
30代の住宅購入メリット・デメリットについては、こちらの記事で特集しています。
40代で住宅を購入するデメリット
40代で住宅を購入することについては、デメリットもあります。そのデメリットが、以下の3点です。
- 教育資金などの支出がピーク
- 毎月の返済で無理をしてしまう可能性がある
- 長期ローンが難しい(完済時の年齢が高くなる)
40代は、20代や30代で生まれた子どもがちょうど高校生や大学生になって、もっとも教育資金がかかる時期にもなってきますので、ローン返済以外に支出が大きいというデメリットがあります。
また、最初は返済できると思っても想定以上に支出が増え、毎月の返済が厳しくなる、これぐらいいけるだろうと思った金額が厳しくなって無理をしてしまうケースもありますね。
更に、40代で35年ローンを利用したいと思っても、完済が75歳を超えるようであれば審査に通るのは厳しくなります。
つまり、40代からでは長期ローンを組むことが難しいのです。
40代で住宅を購入する際には、金銭面でのリスクがあるということを押さえておきたいですね。
資金面ではデメリットしかないのでしょうか。
ローン面でのポイントについては、次で詳しくご紹介していきましょう。
40歳からの住宅ローンはここがポイント!
では、40歳からの住宅ローンではどこを注意すれば良いのでしょうか。
まず、40代でも安定した収入と返済能力があれば住宅ローン審査に通ることは可能です。
40歳からの住宅ローンで押さえておきたいポイントが、返済期間です。
住宅ローンの返済期限を考える基準となるのが、定年までに完済するというものです。
どうして定年までに完済した方が良いのか、それは退職金はできるだけ老後資金として確保しておきたい為です。
自分のことだけでなく、親の介護に関しても考えておかなければいけません。ですから、できるだけ退職金は手を付けずに置いておきたいのです。
また、期間が短いだけで支払利息がかなり少なくなります。今回は、2,500万円を固定金利2%で借り入れる場合を例を挙げてみましょう。
返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 | 支払い利息総額 |
---|---|---|---|
35年 | 82,815円 | 34,782,404円 | 9,782,404円 |
25年 | 105,963円 | 31,788,933円 | 6,788,933円 |
20年 | 126,470円 | 30,352,892円 | 5,352,892円 |
返済期間が10年違えば300万円ほど、15年違えば400万円も支払利息が違ってきます。だからこそ、短期間で返済することが望ましいのです。
返済年数について迷っている方はコチラの特集記事をご覧ください。
ただ、借入額が少なくなれば毎月の返済額を抑えつつ短期間でローンを組むことが可能ですよね。そのポイントが、頭金になります。
頭金の有無による返済総額の差をチェック
頭金が用意できれば、借入金額が少なくなるのは当然です。では先ほどのケースで、頭金を用意した場合の返済金額を見ていきましょう。
物件価格が2,500万円、金利は2%、そして借入額による返済総額の違いを見るために、返済期間はいずれも25年で考えます。
借入金額 頭金 |
毎月返済額 | 返済総額 | 支払い利息総額 |
---|---|---|---|
2,500万円 0円 |
105,963円 | 31,788,933円 | 6,788,933円 |
2,000万円 500万円 |
84,770円 | 25,431,142円 | 5,431,142円 |
1,500万円 1,000万円 |
63,578円円 | 19,073,266円 | 4,073,266円 |
頭金を1,000万円用意できれば、支払総額が同じ25年ローンでも270万円ほど違ってきます。
ちなみに、頭金があって借入金額が少なった場合、頭金ゼロと毎月同じ金額を返済するなら返済期間は14年でOKです。
その際の返済総額は17,210,199円となります。つまり、頭金なしに比べて450万円もお得になるのです。
40代で家を購入する際には、できるだけ頭金を用意した方がお得だということを押さえておきましょう。
40歳頭金なしでも住宅ローンは利用できる?
40歳で住宅ローンを利用する際には、短期間での返済がポイントになるということをご紹介しました。
定年退職前に完済できれば、退職金を全額老後資金に充てることが可能となりますからね。
ただ、短期間のローン返済で済ませるためには頭金が十分用意できることが必要なのでは?と思うかもしれません。
確かに十分な頭金を用意できれば、それだけ短期間のローンを組むことができますし、少しローン期間を長くして返済金額を抑えるということも可能でしょう。
しかし、頭金がなくても住宅ローンは利用できます。
毎月の収入から余裕を持った返済金額を設定し、その金額に応じた借入額に抑えることができれば、頭金なしで住宅ローンを組むことはできるのです。
ちょっと無理した返済金額にしないと、満足できる家が買えないかも。
固定資産税や保険、毎月の修繕積立金や管理費などもしっかり考えておきましょう。
「頭金がなくてもOK」は「貯金なしでOK」とは違う!
頭金なしでも住宅ローンは申し込めるということはご紹介しましたが、実は「頭金なしでもOK」というのは、「貯金ゼロでもOK」とはまったく違います。
住宅を購入する際には、諸費用がかかります。この諸費用は現金払いが原則であり、その費用は購入物件価格の5~10%前後となっているのです。
つまり、諸費用分の貯金がなければ、住宅を購入することはできないのです。
諸費用分の貯金に加えて安心できるだけの生活資金も残しておきたいですから、やはり一定額以上の貯金は必要となります。
頭金なしで買えるというのは、貯金ゼロでもOKとは違うということをしっかり認識しておきましょう。
住宅ローンの頭金について、もっと詳しく知りたい方はコチラの特集記事へ。
40歳の住宅ローンは短期間がオススメ!
また、ライフスタイルが落ち着いているので住み替え、引っ越しを考える心配がないというのも魅力です。
ただ、頭金なしで購入する際には毎月の返済が厳しくなる可能性もありますので、借入額や返済期間を十分検討しておきましょう。
70歳を過ぎてもローンの返済がつづくことに、不安を感じることは多いだろうと思います。
しかしもし返済が可能なら、完済年齢を82歳に設定する金融機関もあるので、40代でも選択肢はたくさんあると考えてよいのではないでしょうか。
定年を迎えるころの築年数が30年以内であることも大きなメリットです。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。
じゃあ家を買うのは焦らなくて良いってことか。押さえたいポイントって?