家を購入するベストな年齢は?各年代で購入する際の注意点もご紹介

家は、人生で最も大きな買い物になります。だからこそ慎重に考えなければいけませんし、いつ買えば良いのかというタイミングを逃したくはないですよね。

家は、20代から50代までどのタイミングで購入することも可能ではあります。でも、各年代でメリット・デメリットはありますし、どうせなら家を購入する理想の年齢を知りたいのでは?

そこで今回は、家を購入するタイミングについて年齢ごとの注意点についてご紹介していきます。

重要なのはローン完済時の年齢!マンション購入の年齢制限は?

マンションを購入するとき、一番気になるのは資金面ですよね。多くの人が住宅ローンを利用する事になるわけですが、住宅ローンは審査で不利になる年齢というものがあります。

各金融機関のローン申し込み条件を見てみましょう。

金融機関名 年齢制限
三井住友銀行 20歳以上70歳の誕生日まで
完済時80歳の誕生日まで
みずほ銀行 20歳以上71歳未満
完済時81歳未満
三菱東京UFJ銀行 20歳以上70歳の誕生日まで
完済時80歳の誕生日まで
イオン銀行 20歳以上71歳未満
完済時80歳未満
ソニー銀行 20歳以上65歳未満
完済時80歳未満
ローンを組むだけなら、50代でも60代でも可能です。ただ、35年ローンを希望する場合、やはり45歳を上限として考えておきたいところです。

また、75歳や80歳完済という条件で住宅ローンを組む人はいますが、住宅ローン審査に通ったからと言って、それが返済可能額であるというわけではありません。

生活に支障を出さず無理なく返済するのであれば、定年前に完済するようにしておきましょう。

定年時の退職金で完済することを前提としてローンを組んだ場合、想定より退職金が低かった、退職金をローンに充てたことで老後資金が不足した、という事態が起こり得ます。

出来るだけ退職金は手を付けたくないですね。

住宅ローン審査で重要視されるのは返済能力

住宅ローン審査では、返済能力が重要視されます。ですから、定収を得られているうちに完済できる計画の方が審査に通りやすいわけです。金融機関も、定年後に返済が残るのはリスクがありますからね。

勤続年数や年収も、ローン審査には影響します。40代、50代は年収だけで見れば有利に思えますが、やはり短期ローンでなければ審査で不利になってしまうのです。

逆に、定年前に完済できる20代・30代のローン審査では、年収が低く、まだ不安定という点が不安要素となります。

住宅購入時の平均年齢と平均年収

平成28年度のデータを見てみると、購入する年齢の平均は35歳~45歳、そして年収は600万円~800万円となっています。

では、購入時の自己資金はどうでしょうか。自己資金、つまり頭金が多く用意できれば、それだけ借入金額を少なく抑えられます。

住宅購入時の自己資金比率は、およそ25%~40%です。3,000万円の住宅を購入する場合は、およそ750万円~1,200万円もの自己資金を用意している計算になります。

とは言っても、頭金については個人差があります。頭金が僅かでしっかりローンを組む人もいれば、自己資金をしっかり貯めてから家を購入する人もいます。

頭金を貯めている間に金利が上がる、長期ローンが組めない年齢になってしまうということになれば、若いうちにローンを組めば良かったとなるケースも考えられないわけではありません。

毎月無理のない返済額を計算し、定年前の完済を目標として、頭金についても検討するようにしましょう。

家を建てるオススメの時期は子供が生まれる前?それとも後?

家を購入する理由として、子供が生まれる、子供が生まれた、ということが挙げられます。

家を建てるタイミングとしては、子供が生まれる前と後、どちらが良いのでしょうか。

家を購入した時点での第一子の年齢を見てみると、0~2歳が最も高いというデータがあります。また、子供が生まれる前に家を購入する人も2割程度いますので、子供が小さいうちに購入する傾向があると言えます。

子育てをするのに適した立地条件の家に引っ越したい、そして子供が生まれることで手狭になるので引っ越したい、といった理由から、家を購入しようと考えるわけですね。

ただ、子供が生まれる前、子供が小さいうちに家を購入するデメリットもあります。

予定外の出産で子供の人数が増える、もしくは子供が出来ずに間取りが合わなくなるというケースもないわけではありません。

部屋が余れば、もっと他の部屋を広くするなど対応できたでしょうし、部屋が足りないとなればせっかく購入した家から引っ越しを検討しなければいけなくなります。

子供の入学前に家を建てれば転校の心配がなくなる

子供の入学を機に家を買う、という選択肢もあります。その理由としては、子供の生活環境を守ることができる、負担をかけずに済むという点が挙げられます。

入学してから家を購入すると、立地の関係で引っ越し、転校する可能性があります。

せっかく住み慣れた環境、仲良くなった友だちと離れると子供に負担がかかる為、入学前の購入をタイミングの1つとして考える人は少なくありません。

家族構成もおおよそ固まってくる時期ですから、どのような間取りにするかを選びやすくなるという点もありますね。

ただ、子供が小さいうちに購入するか、入学前に購入するかは、どちらがベストだと断言することはできません。

各家庭の状況に応じて、購入のタイミングを検討することが大切です。

家を買うタイミングは子供が成長した後でも遅くない?

子供が小さいうちに家を買う人がいますが、子供が成長してからでは遅いのでしょうか。

実は、子供が独立してから家を購入する人も少なくありません。子供が独立してからの家購入には、次のようなメリットがあります。

  • 小さい家で済む
  • 教育費を考えなくて良い
  • 十分な頭金を用意できる

夫婦2人で暮らす家であれば、家族で暮らす家よりも小さな家で済みます。つまり、物件価格を抑えられるのです。

また、子供が独立すれば教育費を考える必要がなくなります。支出が減りますので、毎月の生活費に余裕が出てきますね。

更に、今までしっかり貯蓄していれば、それだけ十分な頭金を用意することが可能です。頭金が多ければ、ローン期間は短期で済みます。

家を購入する際の注意点を年代別にチェック

家を購入する際のタイミングなどについてご紹介してきましたが、購入する年代特有のリスク、注意点というものもあります。

ここでは、20代から50代それぞれの年代のときに家を購入する際、どのような点に注意したら良いのかをご紹介していきましょう。

20代の家購入はライフスタイルの変化に注意

20代で家を購入する際には、ライフスタイルの変化に気を付けておきましょう。

結婚を機に新居を購入するという場合は、今後子どもが生まれたときのことを考えておく必要があります。

また、将来的に転職するという可能性もゼロではありません。その際、今考えているローン返済を無理なく続けられるかどうか、慎重に検討しなければいけないのです。

20代は、まだ収入が低めなので借り入れできる金額も限られてしまいます。当然、頭金も十分に用意できていないでしょうから、少ない予算で家を購入することになるということも認識しておきたいですね。

想定よりも将来生活費が増えてしまう、収入が上がらないというリスクもありますので、その点も把握しておきたいところです。

20代でマイホームを買いたいと考えている方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

30代独身での家購入は売却について考えておこう

30代は、もっとも家の購入が増える時期でもあります。結婚・出産などのライフスタイルの変化も理由の1つではありますが、家賃を支払うより同じ金額のローンを支払って自分の資産に、と考えることも要因です。

ただ、30代でも独身で家を購入する場合は気を付けなければいけない点があります。それが、その家を手放す可能性があるということです。

家を購入した時は独身でも、その後結婚、出産などライフスタイルが変われば今住んでいる家では合わなくなる恐れがあります。

より良い条件の家に引っ越す、住みかえるということが起こった場合、今住んでいる家のローンはまだ残っている可能性が高く、売却していくらローンを返済できるかが重要となりますよね。

独身で家を買うときには、売却のことを考えて立地や間取りなど十分に注意しておく必要があります。

30代が家を買う際の注意点について興味がある方には、こちらの記事がオススメです。

40代からの住宅ローンは完済時の年齢に注意

40代から家を購入する際には、住宅ローンの完済時の年齢に注意しておきましょう。40代は、ギリギリ長期ローンを組むことが可能な年代ではあります。

ただ、70歳など定年後まで返済を計画していれば、収入が大きく減った状態でローンを支払い続けなければいけなくなります。できれば定年までに完済できるよう、計画しておきたいですね。

また、40代は収入や貯蓄が増える時期ではありますが、教育資金の支出もピークとなります。余裕を持ったローン計画を持つようにしましょう。

収入も増えるが支出も増えるというのは、難しいですね。

もちろん無理なく返済できる金額を考えてローンを組みたいとは思いますが、具体的にどのように計算すれば良いのでしょうか。

年間の返済額を年収の20%以内に抑えるというのが、1つの目安になります。

あとは、教育費など毎月の支出を考えつつ、算出すると良いでしょう。

40歳からの住宅ローンについてもっと詳しく知りたい方には、こちらの記事がオススメです。

50歳で家を買う時は老後のことを考えておこう

50歳で家を買う時に注意すべきは、老後のことです。

新規でローンを組むにしても、定年で確実に完済し、老後の資金を確保しておくことが求められます。

また、購入する家もバリアフリーの面をしっかりチェックしなければいけません。廊下の幅や床、ドアなど、車いすを使っても生活できるかどうか、きちんと考えましょう。

50代での住宅購入は、予算の面から中古物件を選択する人も増えてきます。ただ、やはり老後を考えてきちんとリフォームしておくことが求められますね。

現在住んでいる家がすでに持ち家だという場合は、売却するか貸すか、もしくは譲るかを考える必要があります。希望条件で売れないケースもありますので、現在住んでいる家の価値を正しく認識することが大切です。

50代の住宅購入について押さえておきたいポイントについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

家を購入するタイミングはライフスタイルや資金面で決断を

家を購入するタイミングは、その人のライフスタイル、年齢、そして貯金など様々な条件によって決めるものです。

家族構成が決まってから、十分に頭金が用意できてから、子供が独立してから、いずれのタイミングにしても、無理なく完済できるようにローンを組むことが重要となります。

定年前にローンを完済することを目標に、自分にとってベストなタイミングを見つけましょう。

監修者メッセージ

家を買おうとか、建てようと思うけど、どうでしょう?と相談を受けたとき必ず尋ねることがあります。「今、買おうと思う必然性はありますか?」です。人生設計はその人あるいは家族によっていろいろあります。

「○○のほうが有利」とか「○○だと不利」というのは一面だけを捉えた評価。

必然性があるときがタイミングです。

プロフィール
不動産売却カテゴリー記事監修(弘中純一)
弘中 純一
宅地建物取引士、一級建築士の資格を保有。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。

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