中古住宅と住宅ローンの関係は?リフォーム費用はどうすればいい?
住宅ローンと言うと、新築物件の購入に使う、というようなイメージがわきがちです。しかしマイホーム購入には、新築以外に中古住宅という有力な選択肢もあります。
中古住宅を買う場合でも、住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。購入した中古住宅を改装した時の費用は?
このページでは、中古住宅と住宅ローンの関係について徹底的に解説していきます。
中古住宅でも住宅ローンは利用できるの?
建物は値落ちが早く、古い一軒家など、ほぼ土地代だけて購入できることもあります。リーズナブルな中古物件ですが、新築と同じように住宅ローンを組めるか不安に思っている人もいるようです。
基本的には、中古物件でも新築物件と同じ住宅ローンを使うことができます。
中古物件のリフォーム費用はどうする?
リフォーム済の中古物件なら問題ありませんが、そうではない場合、中古物件を購入したあとにリフォーム費用やリノベーション費用がかかることがあります。
住宅ローンとは別に、「リフォームローン」を別途借りるという方法はあります。しかしリフォームローンは、住宅ローンよりも金利がだいぶ高くなります。
一体型住宅ローンならリフォームもOK
普通の住宅ローンでも、リフォーム費を含められる場合もあります。しかし取り扱っている金融機関も少なく、審査も厳しくなります。
中古物件をリフォームをしたいなら、「リフォーム一体型住宅ローン」を選ぶという方法がおすすめです。
ちかごろは銀行が、中古物件購入者に向けて、リフォーム費用までまとめて組める住宅ローンプランを用意しているのです。
先にリフォーム費用の見積もりが必要
リフォーム一体型住宅ローンを借りる時に大事なのが、先にリフォーム費用の見積もりを出してもらうことです。
一体型住宅ローンを借りるためには、審査の時にリフォーム費用も合わせて申請しないといけないからです。
一体型住宅ローンなら諸経費がお得
住宅ローンとリフォームローンを別々に借りると、事務手数料などの諸経費も2回分必要になってしまいます。
その点、一体型住宅ローンなら諸経費の支払いも一度ですみ、出費を抑えることができます。
一体型住宅ローンの場合は返済額が安定する
住宅ローンとリフォームローンが別々だと、ローン初期の返済額が大きくなります。
たとえば、「物件価格が3000万円」で、「リフォーム費用が600万円」かかる例を考えてみます。住宅ローンが30年、リフォームローンが10年払いだとします。
するとリフォームローンを完済するまでは、住宅ローンの100万円+リフォームローンの60万円の「合計160万円」を毎年払っていかないといけません。
これが一体型住宅ローンの場合、3600万円を30年で払うという形になりますので、「毎年120万円」ずつの支払いでよくなります。
もちろん、別々にローンを組む場合、リフォームローンの期間さえ過ぎてしまえば、ぐっと支払いが安くなります。
そのため、どちらの方法が絶対にお得というのはありません。しかし安定した金額で長期返済をしたいなら、一体型住宅ローンのほうが優れていると言えます。
リフォーム一体型住宅ローンが得とは限らない
リフォーム一体型住宅ローンは、返済額の安定性は高くなります。しかし総費用は逆に高くなってしまうこともあります。
たしかに住宅ローンは低金利なのですが、払う期間が非常に長くなります。そのため、リフォーム費用を含めてしまうと、利息が高くつくことがあるのです。
高い金利で短期間で支払ったほうが安いのか、安い金利で長期間支払ったほうが安くすむかはケースバイケースですので、諸経費なども含め個別に計算してもらうしかありません。
中古住宅を購入する時に注意したい4つのポイント
中古住宅を購入するさいは、以下のような4つのポイントに注意してください。
- 物件価格と物件価値は違うことがある。
- 仲介手数料がかかる。
- 住宅ローン減税を受けられない場合がある。
- フラット35は適合証明書が必要になる。
物件価格と物件価値は違うことも
新築の場合、物件価格がそのまま物件の担保価値だと考えて問題ありません。銀行もふつうは、物件価格を基準に住宅ローンを組ませてくれます。
しかしこれが中古物件となると話が変わります。中古物件の価格にはかなりの流動性があるため、価格とじっさいの担保価値に差が出ることがあるのです。
価格よりも担保価値の方が高い場合は、問題ありません。しかし割高な値段で販売されていて、担保価値が低い場合、その低い担保価値を基準にしたお金しか借りられません。
担保価値を判定するのは、金融機関側です。ですから中古物件を購入する場合、必要とする分のお金が借りれないケースもあるということに注意しましょう。
中古住宅には仲介手数料がかかる
中古住宅を買う場合、直接売り主と取引するわけではなく、間に不動産会社をはさみます。そのため、仲介手数料がかかります。
仲介手数料は、(売買金額×3%+6万円)×(消費税率+1)が上限となっています。計算が面倒な人は、だいたい「物件価格の3%強」の費用がかかるとおぼえておけば大丈夫です。
1000万円の物件を買った場合、40万円近くの手数料を取られてしまうわけで、意外と大きな出費になります。
そのため、中古物件を購入するさいは、こうした諸経費のことも念頭に置かなければいけません。
築年数が古すぎると住宅ローン減税を受けられない場合も
中古物件の場合、住宅ローン控除を受けられない可能性があります。
鉄筋コンクリートなどの耐火構造の建物でも25年、木造などの非耐火構造の建物だと20年という築年数を超えると、住宅ローン控除が受けられません。
ただしリフォームなどにより、「耐震基準適合証明書」を交付されていれば、築年数が古い中古物件でも住宅ローン控除を受けられます。
フラット35を選ぶなら適合証明書が必要
中古物件で、住宅ローンをフラット35にする場合も注意が必要です。
フラット35は、中古物件の場合「適合証明書」が必要になります。
ちなみに、適合証明書を交付してもらうための費用は、自分で支払わなくてはいけません。検査費用は頼む業者によって変わりますが、10~20万円程度はかかると考えておきましょう。
中古住宅でも住宅ローンは組める!
リフォーム一体型住宅ローンを利用すれば、中古物件を買った後のリフォーム代まで住宅ローンに含めることができます。こちらも検討してみるとよいのではないでしょうか。
中古住宅の住宅ローンは民間融資が借りやすいといえます。
フラット35の技術基準は思ったより厳しく、一般の銀行ローンであれば問題にならないようなことも、フラット35では問題になり適合証明がもらえません。
適合証明の検査は不適合であっても費用がかかるので、不安要素のある中古住宅は気をつけたいですね。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。