ノンバンクの住宅ローンを軽視すると損をしてしまう事も
ノンバンクと聞くと、「怖い、信用できない」などと思う人も多いでしょう。しかしノンバンクだからといって、おかしなことをしているというわけではりません。
特に住宅ローンを組む場合、ノンバンクのローンには大きなメリットがあります。「なんとなく信用できない」でノンバンクを避けてしまうのはもったいない事です。
このページでは、ノンバンクとは何かについて説明しています。また、ノンバンクのローンが適しているのは、どんな人なのかも考えていきます。
ローンにはどんな種類があるの?
まず住宅ローンは、「公的ローン」と「民間ローン」の2つに大別されます。民間ローンはさらに、「銀行系ローン」と「ノンバンク系ローン」の2つに分けられます。
- 公的ローン。
- 銀行系ローン(民間)。
- ノンバンク系ローン(民間)。
公的ローン1「財形住宅融資」
「財形住宅融資」は、財形貯蓄を1年以上続けている人が利用できる住宅ローンです。貯蓄額の10倍まで(最大4000万円)のローンを組むことが可能です。
財形住宅融資には、「金利が安い」「事務手数料と保証料が無料」という大きなメリットがあります。
しかし財形貯蓄は個人ではできません。そのため、財形貯蓄制度を利用している企業に勤めている、サラリーマン限定の住宅ローンとなります。
公的ローン2「自治体融資」
「自治体融資」は、各地方自治体がおこなっている住宅ローンです。その地域に住んでいるか、勤務先がある場合に利用できるのが普通です。
すべての自治体で自治体融資が受けられるわけではなく、実施していない自治体もあります。また、利用するための条件なども、自治体ごとに異なります。
銀行系ローンというのは?
まず銀行系ローンには、営利法人である「普通銀行」が挙げられます。みずほ銀行や三井住友銀行などの都市銀行や、楽天銀行などのネット銀行、各県の地方銀行などがこのカテゴリーに入ります。
こうした普通銀行以外に、中間法人である「協同組織金融機関」の住宅ローンも、銀行系ローンに含められます。
信用金庫や農業協同組合(JA)、漁業協同組合などが、協同組織金融機関にあたります。協同組織系の住宅ローンの場合、その組織の会員しか利用できないこともあります。
ノンバンク系ローンとはどんなもの?
銀行はお金を預かる仕事(預金業務)と、お金を貸し出す仕事(与信業務)をおこなっています。
お金を預からずに、貸し出しだけをやっている金融機関が「ノンバンク」と呼ばれています。
ノンバンクは、以下のような6つの系統に分けられます。
- 消費者金融会社。
- 信販会社。
- クレジットカード会社。
- 不動産金融専門会社。
- リース会社。
- 事業系専門ローン会社。
ノンバンクで多いのは、消費者金融、信販会社、クレジットカード会社の3つです。
しかし住宅ローンでおもに関係してくるのは、4番の「不動産金融専門会社」となります。こうした住宅ローンを専門で扱うノンバンクは、「モーゲージバンク」と呼ばれています。
ノンバンク系住宅ローンの3つのメリット
ノンバンク系の住宅ローンには、以下のような3つのメリットがあります。
- 審査が早い。
- 銀行よりも審査に通りやすい。
- 金利が低いノンバンクもある。
審査が早い
銀行の住宅ローンに申し込むと、審査が終わるまでにかなりの期間が必要になります。
しかしモーゲージバンクの住宅ローンは、審査が早く終るところが多くなっています。
モーゲージバンクは住宅ローンの専門家ですので、業務にも慣れていて、迅速に審査が終わるようになっています。事前審査は最速で当日に終わり、本審査でも最短3営業日結果でが出ます。
また、銀行の住宅ローンは、物件の売買契約が済んでから住宅ローン審査が行われます。しかしモーゲージバンクの中には、売買契約締結前に審査をしてくれるところもあります。
銀行よりも審査に通りやすい
ノンバンクは貸し出し業務しかできせんので、ローンを組んでくれる顧客を増やさなければ利益を得られません。
そのためノンバンクの住宅ローンの方が、銀行の住宅ローンより審査に通りやすいと言われています。
また銀行は、住宅ローン申込者の社会的地位を重視します。公務員や正社員なら問題ありませんが、非正規雇用だと借り入れが非常に難しくなります。
モーゲージバンクの住宅ローンは、非正規雇用や自営業者でも審査に通る可能性が高くなっています。
※自営業者の方で審査に通るか不安な方はコチラを記事へ。
金利が低いこともある
ノンバンクは預金業務ができませんので、一般の顧客から融資資金を集められません。そのため、銀行からお金を借りて、一般の顧客に貸し出しをします。
しかし銀行から借りたお金を貸す場合、銀行との金利競争に勝てません。ノンバンクが得る利益の分、どうしても銀行系ローンよりも金利が高くなってしまいます。
こうした問題を解決するのが「フラット35」です。フラット35は、住宅金融支援機構がローン債権を買い取ってくれるため、貸し出し用の資金を用意する必要がありません。
フラット35を利用する限り、銀行もノンバンクも条件は同じということです。
そして、住宅ローンを専門でおこなっているモーゲージバンクの方が、人件費やその他経費抑えられるため、フラット35の利息を低く設定できるのです。
ノンバンク系住宅ローンの4つのデメリット
ノンバンク系の住宅ローンには、以下のような4つのデメリットもあります。
- 金利が高い。
- 知名度が低い。
- 商品の選択幅が狭い。
- 前提条件があるノンバンクが多い。
金利が高い
基本的にノンバンクの住宅ローンで金利が安いのは、フラット35を扱っている場合だけとなります。
ノンバンク自体が住宅ローンプランを提供していることもありますが、銀行から借りたお金を又貸しするというハンデの分、金利が高くなるのが普通です。
ただし、他の住宅ローンだけではどうしてもお金が足りない時に、資金を補う形で利用するなら、ノンバンクのローンにも意義はあります。
知名度が低い
ノンバンクは知名度が低いため、銀行と比べて不安になってしまうかもしれません。住宅ローンは高額の取引ですから、信用して取引できるかというのは重要ではあります。
しかしモーゲージバンクでも、実績があるところを選べば、それほど心配する必要はないでしょう。
たとえば「日本住宅ローン」は、積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業などの住宅に関係した大手企業が出資している会社ですし、「ARUHI」は、もともとはSBIのグループ企業の1つでした。
商品の選択幅が狭い
ノンバンクの場合、フラット35以外の商品には優位性がありません。そのため、実質的にフラット35一択となり、サービスで住宅ローンを選ぶという事ができません。
団体信用生命保険の保険料がおりる条件などは、各サービスによって異なります。そうした面を重視するなら、銀行系ローンを選ぶ方が良いかもしれません。
前提条件があるノンバンクが多い
ノンバンクの住宅ローンは、だれでも借りられるとは限りません。モーゲージバンクの場合は、関連する不動産会社で物件を購入した人しか利用できない、というような条件が設けられています。
たとえば知名度のところで紹介した「日本住宅ローン」は、積水ハウス、セキスイハイム、大和ハウス工業、住友林業のどれかで家を建てなければ、住宅ローンを利用できません。
ノンバンク系はどういう人が選ぶ住宅ローンなの?
モーゲージバンクは、自営業者や非正規雇用の人たちに向いている住宅ローンだと言えます。物件を建てたハウスメーカーと提携しているモーゲージバンクを選べば、審査に通る可能性が高まるでしょう。
また、利息の支払額を抑えたいという人にも向いています。ネット銀行と同じくらいの低金利で貸し出しをしている、モーゲージバンクもあります。
ノンバンク系の住宅ローンサービス提供企業一覧
ノンバンク系の住宅ローンの中で、特におすすめなのは以下の2つです。
- 日本住宅ローン。
- ARUHI。
これらは2つとも金利が非常に低く、長期固定金利ではネット銀行さえ抑えて、一二を争っているほどです。
この他のノンバンク系住宅ローンは、金利面ではメリットが少なくなります。
ただし日本住宅ローンは、提携ハウスメーカーを選択した時に利用できませんので、それ以外の場合はARUHIを利用することになります。
フラット35ならノンバンク系ローンも選択価値あり!
ノンバンク系住宅ローンの中でも、日本住宅ローンとARUHIは、金利が安いため、検討してほしい会社です。
ただしノンバンク系のメリットが大きくなるのは、フラット35を選んだ時です。それ以外の場合は、銀行系ローンにしておいたほうが無難かもしれません。
銀行系住宅ローンでは審査がむずかしい場合に検討するのが「ノンバンク系住宅ローン」です。本文にもあるように商品は「フラット35」。
金利面でも銀行系と差はなく、さらにノンバンク系のフラット35は「買取型」と「保証型」の両方を扱う金融機関があり、お客様の状況に応じた対応ができそうです。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。