申し込む前に要チェック!個人年金保険のメリットとデメリット

個人年金保険 2018.08.31

個人年金保険は、老後のための資金を補う目的で検討している人が多い商品です。しかし、個人年金保険にはメリットだけでなくデメリットもあるので、何となく得しそうだからというだけで申し込むのは危険です。

個人年金保険を利用することでどのようなメリットがあるのかを再度確認し、更に個人年金保険のデメリットについても詳しくチェックしておくことが大切なのです。今回は、個人年金保険のメリット・デメリットについて徹底解説していきます!

個人年金保険の3つのメリット

まずは、個人年金保険のメリットについて紹介していきます。個人年金保険には、主に次の3つのメリットがあります。

  • 確実に積立てができる
  • 定期預金に預けるより運用利率が良い
  • 所得控除が受けられる

それぞれメリットについて見ていきます。

確実に積立てができる

個人年金保険は、クレジットカードでの引き落としか口座からの自動振替が基本です。自分で毎月入金をする手間がかからず、勝手に積立てをしてくれるというのは楽ですよね。

また、個人年金保険は解約するときには、解約手続きが必要となります。その手間があるのも、ずっと継続して積み立てができるポイントだと言えるでしょう。

定期預金に預けるよりも運用利率が良い

個人年金保険の利率は、定期預金の利率よりも高い傾向にあります。今10年定期で預金を契約しても、その利率は0.01~0.3%前後と僅かです。

しかし、個人年金保険の利率は4~5%前後あり、定期預金よりも高い為ただ貯金をするよりも得をする可能性が高いと言えます。

より効率よくお金を増やしたいという時に、個人年金保険は魅力ですね。

個人年金保険はそんなに利率が良いのか!?これやスゲェな。

もちろん保険だから元本割れしねえんだろ?さっそく申し込んでみるか。

ただ、個人年金保険にはいくつか種類があり、変額個人年金保険は保険料を運用した結果で受け取り保険料が決まります。

元本割れの可能性もありますので、注意が必要ですね。

個人年金保険も元本割れしちまう商品があるのか…。

こりゃ、どの種類の商品を選ぶかが重要っつーことだな。

所得控除が受けられる

個人年金保険で支払う保険料には、次の2つのうちどちらかが適用されます。

  • 個人年金保険料控除
  • 一般生命保険料控除

年末調整や確定申告をすることで、税金の還付を受けられます。

※個人年金保険の所得控除の特集記事はコチラ

個人年金保険の3つのデメリット

では、個人年金保険にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

  • 途中解約すると支払い保険料より受取額が減る可能性がある
  • 保険会社が破綻する可能性がある
  • インフレに弱い

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきます。

途中解約すると支払い保険料より受取額が減る可能性がある

個人年金保険は、保険料を契約時に一括で支払う、または毎月、毎年支払うという方法がありますが、払い込んだ保険料を受け取るのは60歳以降となるのが基本です。

その前に保険金を受け取りたいということであれば、途中で契約を解約する必要があります。

ただ、実は個人年金保険は中途解約をすると、その期間によっては解約返戻金が支払い保険料よりも低くなることがほとんどなのです。

せっかく資産を増やそうとして個人年金保険を申し込んだのに、戻ってくるお金が支払い保険料よりも少なかったら意味がありませんよね。

ですから、個人年金保険は途中解約をしないことを前提に考えるようにしましょう。

保険会社が破綻する可能性がある

個人年金保険は、保険料さえきちんと支払えば将来支払った保険料を年金として受け取ることができます。

ただ、生命保険会社が破綻してしまった場合は、受け取り予定額よりも少ない金額の受け取りになる恐れがあります。

保険会社が破綻したからといって、その契約がなかったことにされるわけではありませんが、損をしてしまうリスクがあるということは覚えておきたいですね。

だからこそ、どの保険会社を選ぶのかは慎重に検討するようにしましょう。

インフレに弱い

個人年金保険は、実はインフレに弱いと言われています。今契約することで、将来的には定期預金よりも良い利率での運用が出来るのは魅力に思えますが、年金保険を受け取る数十年後と今が同じ物価価値である保証はありません。

もしインフレで物価が上昇してお金の価値が下がってしまうと、せっかく受け取った年金保険の価値も想定より低いものになってしまう恐れがあるわけです。

保険料を360万円払い込んでインフレ率が50%だった場合を例に、考えてみましょう。

現在 30年後
現金 1万円 1万円
物価 1万円 1.5万円
返戻率
120%の場合
保険料360万円 年金総額…432万円
しかし
実質年金の価値…324万円

インフレ率が50%ということは、単純に今より物価の価値が1.5倍になるということです。つまり、お金の価値的には、今の75%の価値に落ちてしまうというわけですね

保険料を360万円払い込めば、返戻率が120%ですから受け取る年金額としては432万円と増えます。ただ、払い込んだ時点よりお金の価値が75%と下がっているため、実質324万円を受け取ったと同じ意味になり、払い込んだ金額よりも損をしてしまう恐れがあるわけです。
インフレ怖っ!

あれ?でも、いくら金の価値が下がったても、結局もらえる金額的には増えてるから損はしないんじゃね?

インフレ率50%の場合、今は100円で買えるものが150円出さなければ買えない状態になります。

いくらもらえる金額が増えても購入出来るものが少なくなっていれば、それは結果的に損をしていると言えるわけですね。

個人年金保険で、契約時に受け取ることができる金額が決まっているのは安心ではありますが、インフレが起これば積立てた意味がなくなってしまう恐れもありますので気を付けたいところですね。

個人年金保険が向いているのはこんな人!

今まで、個人年金保険のメリットとデメリットを紹介してきました。では、個人年金保険が向いているのはどのようなタイプの人なのでしょうか。

個人年金保険が向いているのは、次の点に当てはまる人です。

  • 貯金が苦手な人
  • 投資や運用に抵抗がある人
  • 老後資金を今から考えている人

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

貯金が苦手な人

毎月決まった金額を貯金できない、ある程度貯まったら使ってしまう、そういう人には、個人年金保険はおすすめです。

個人年金保険は、基本的に自動で預金からお金が引き落とされていきます。また、途中で解約することが出来ないわけではありませんが、先ほどデメリットでも紹介した通り、解約したらせっかく受け取れるはずだった金額が少なくなってしまう、支払い保険料よりも少なくなる恐れがあります。

だからこそ、個人年金保険は毎月自動引き落としで積み立てることができるだけでなく、簡単に解約できないのでしっかりと老後資金を貯めることができるので、貯金が苦手な人に適しているのです。

投資や運用に抵抗がある人

自分の資産を増やす方法としては、投資や運用をするというものもあります。定期預金よりも高い利率で運用できる可能性があるのは魅力ですが、、投資や運用は元本割れのリスクがあるのでなかなか手が出せないと考える人も少なくありません。

しかし、個人年金保険は定額個人年金保険であれば契約時点で受け取ることができる金額が決まっています。元本割れの心配はほとんどなく、預金より高い利率で運用できるので安心を取りたい人にはおすすめです。

やはり、利率だけで考えれば投資信託などを始めた方がお得なのでしょうか。
インフレリスクを考えれば、投資信託の方が有利にはなります。

ただ、投資信託には信用リスクや流動性リスクなど多くのリスクがありますから、一概に投資信託の方がお得だとは言えませんし、むしろリスクは大きいと考えておきましょう。

老後資金を今から考えている人

老後資金を今から考えて何か始めたいということであれば、まず個人年金保険を検討するというのはアリでしょう。老後になってから受け取り始めることができるので、確実に老後資金を補うことができます。

ただ、個人年金保険にもデメリットはあります。

今ある資産を全て個人年金保険に入れるのではなく、他に良い条件の保険や運用商品が出た場合はそちらと併用するなどの選択肢を残しておきたいですね。

個人年金保険申し込前にはメリット・デメリット両方をチェック

個人年金保険は、確実な運用ができ、定期預金よりも利率が良いというメリットがある一方で、インフレに弱く途中解約をしてしまうと払い込んだ保険料よりも戻ってくる金額が少なくなるというデメリットもあります。

個人年金保険を検討する際には、メリットだけでなくデメリットもしっかりとチェックし、自分で納得した上で契約するようにしましょう。

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