個人年金保険と確定拠出年金(ideco)はどっちがお得!?
老後の資金不足を補うための方法として、個人年金保険や確定拠出年金(ideco)があります。ただ、この2つの違いについてよく把握できていない人も多いのでは?
どちらも、老後に一時金として、または年金として毎月お金を受け取ることができるという点では同じですが、その特徴は大きく異なっています。
個人年金保険と確定拠出年金(ideco)のそれぞれの特徴、そして違いは何か、どちらを選ぶべきなのか、気になる情報をご紹介していきましょう。
個人年金保険と確定型拠出年金(ideco)の特徴をチェック
まず、個人年金保険と確定拠出年金それぞれの特徴を見ていきましょう。
ただ、仕組みはだいたい同じでもこの2つには大きな違いがあります。それが、受け取る年金額と中途解約の可否です。
項目 | 個人年金保険 (確定型) |
確定型拠出型年金 (ideco) |
---|---|---|
受け取り年金額 | 契約時に決定 | 運用実績によって変動 |
中途解約 | 可能 | 原則不可能 |
個人年金保険は、確定型を選択した場合だと契約時に受け取ることができる年金額が決まっています。契約時から毎月いくらもらえるかが確定しています。
一方、確定拠出年金の場合は積立てた金額をもとに運用を行い、その運用結果に応じて年金額が決定します。
つまり、確定拠出年金の場合は契約時で受け取り年金額が確定せず、想定したよりも受け取る年金額が少なくなってしまうリスクがあるわけです。
また、個人年金保険は保険ですから中途解約は自由ですが、確定拠出年金(ideco)の場合は原則解約は不可能です。ただ、掛金の変更は出来ますので、掛金の支払いが厳しくなれば減額・休止という選択ができます。
ちなみに、個人年金保険は解約してしまえば得られるはずの年金は当然もらえませんし、解約した時期によっては返戻金が少なく、払い込み保険料と比べて大きく損をしてしまう可能性もあります。
そのときは、個人年金保険を払い済みにして保障はキープすることも可能です。個人年金保険の払い済み保険について興味がある方は、ぜひこちら個人年金保険を払い済みにするメリット・デメリットとはの記事をチェックしてくださいね。
個人年金保険を申し込む際には、個人年金保険の種類に注意しておく必要があるのです。
個人年金保険の種類について興味がある方には、こちらの記事がオススメです。
個人年金保険のメリット・デメリット
では、まず個人年金保険のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・確定型を選択した場合 契約時に受け取る年金額が 決まっている ・中途解約や払い済み保険への 変更ができる |
・掛金の変更ができない ・中途解約で大きく損をする 可能性がある ・控除額が少ない |
個人年金保険のメリットは、確定型保険であれば契約時に将来受け取ることができる年金額が確定し、保障されているという点です。
将来の見通しが立てやすいというのは大きな魅力ですよね。
個人年金保険のメリット・デメリットについては、こちら申し込む前に要チェック!個人年金保険のメリットとデメリットの記事で更に詳しくご紹介しています。
個人年金保険は控除が少ない!?
個人年金保険は、控除額が少ないというデメリットがあります。控除が受けられるということ自体は、十分メリットになります。
ただ、個人年金額は払込保険料が全額控除対象となるわけではありません。一定金額まで生命保険料控除の対象となり、その金額は以下の通りです。
- 所得税…最大4万円
- 住民税…最大2.8万円
後程ご紹介しますが、実は確定拠出年金(ideco)は全額が所得控除対象となります。
そこで比較すると、個人年金保険は控除額が少ないという判断になってしまうのです。
あ、受け取る年金は税金かかったりする!?
受けられる控除については、個人年金保険はそこまで多くないと言えるかもしれません。
当然、それに応じた税金を支払う必要があるということも覚えておきたいですね。
個人年金保険の控除額がいくらになるかもっと知りたい!そんな方には、こちらの記事がオススメですよ。
確定拠出年金(ideco)のメリット・デメリット
では、確定拠出年金(ideco)のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・掛金の変更が可能 ・休止もできる ・掛金が全額所得控除 ・受け取る一時金は退職所得控除 年金は雑所得として公的年金控除が 可能 |
・受け取る年金額が 運用によって変動する ・中途解約は不可 ・掛けられる金額が制限されている |
確定拠出年金(ideco)の最大のメリットは、多くの控除を受けることができるという点にあります。
掛金の控除額に制限がある個人年金保険と比較して、ideco(イデコ)は全額が所得控除の対象です。また、受け取る年金についても退職所得控除、公的年金控除が受けられますから、節税メリットが多くあります。
ただ、その一方でideco(イデコ)は一度始めてしまえば途中でやめることは原則不可能です。
掛金を減額する、一時的に休止することしか出来ませんし、掛金の変更は年に1回のみとなっているの注意しておきたいですね。
※iDeCoについて詳しく知りたい方はコチラへ
休止はできるようですが、そのときも積立てた金額を引き出すことも出来ないのでしょうか?
預けたままになってしまいますので、掛金をいくらにするかは慎重に検討したいところです。
ideco(イデコ)は、運用がうまくいけば得られる金額は個人年金保険よりも大きくなる可能性は十分あります。ただその一方で、最終的にいくら得られるかについては受け取るまで分からないというリスクもあります。
記事の最初の方で説明しましたが、運用結果によっては想定より受取金額が低くなってしまう可能性もありますので、そのあたりはしっかりと認識しておきましょう。
確定拠出年金は掛金の上限が決まってるってどういうこと?
個人年金保険の場合は、将来受け取る年金額をいくらにするかによって、毎月の掛金が決定します。その金額は、多くすることも少なくすることも可能です。
ただ、確定拠出年金の場合は職業・職種によって掛け金の上限額が決められています。
職業 | 上限額 |
---|---|
自営業者 | 月額68,000円まで |
専業主婦 専業主夫 |
月額23,000円まで |
公務員 | 月額12,000円まで |
会社員 | ・勤務先に企業年金がない …月額23,000円まで ・勤務先に確定給付企業年金がなく企業型確定拠出年金に加入 …月額20,000円まで ・勤務先に確定給付企業年金はあるが企業型確定拠出年金がない またはその双方に加入している …月額12,000円まで |
確定拠出年金の場合は上限額が決められているので、人によっては思ったような金額を積み立てられない場合もあるということを押さえておきましょう。
個人年金保険と確定拠出年金(ideco)オススメはどっち?
節税効果だけで見れば、どうしても控除が大きい確定拠出年金の方がメリットが大きくなります。ですから、節税目的で資産運用をしたいのであればideco(イデコ)を選んだ方がお得なのです。
ただ、個人年金保険の場合は、契約時から受け取ることができる金額が保証されています。
せっかく老後資金を確保するのだから、きちんと受け取ることができる金額を把握しておきたいと考える人には、個人年金保険がオススメですね。
途中で解約する可能性があるなら個人年金保険がお得!?
確定拠出年金は、基本的に途中で解約することはできません。毎月積立てた金額は、60歳になるまで引き出すことはできないのです。
ただ、個人年金保険の場合は途中解約をすることが可能です。もちろん、支払い済み総額よりも受け取る解約返戻金の方が少ない場合もありますが、資金が必要になったときには役立ちますよね。
年金として積立てをしつつも、いざという時には使いたいと考えるのであれば個人年金保険であれば途中解約が可能ということを押さえておきましょう。
ただ、途中解約は支払った保険料よりも少ない金額しか得られないのが多く、損をしてしまうことには変わりません。
個人年金保険も確定拠出年金も、長期で積み立てをするものであるということを忘れてはいけません。
どちらを選ぶか悩ましいところですね。
目的が節税か、安心か、それを基準にしても良いでしょう。
個人年金保険と確定拠出年金(ideco)は両方併用可能!
個人年金保険と確定拠出年金(ideco)どちらを選べば良いか、やっぱり悩んでしまう、分からない、そんな人もいるかもしれません。
実は、個人年金保険と確定拠出年金は併用することができます。
併用するにあたって、個人年金保険と確定拠出年金(ideco)の控除は両方生きていますから、控除額が少なくなってしまうという恐れもありません。
例えば、確定拠出年金の限度額12,000円の会社員が、20,000円の予算で資産運用をする場合を考えてみます。
確定拠出年金は5,000円から掛金の設定が可能ですが、節税メリットを希望するのであれば限度額上限である12,000円を確定拠出年金にあて、残りの8,000円で個人年金保険に加入するという方が、節税メリットも老後の資産も得ることができます。
つまり、確定拠出年金の掛け金を支払ってもまだ余裕がある人が個人年金保険に加入する、というのが一番節税効果が期待できる方法なのです。
運用っていうのが怖いから個人年金保険の方が俺的には安心なんだけど。
どちらか迷っているという場合は、節税効果がある確定拠出年金の方がお得ですよ、というだけです。
また、併用するということは、毎月支払い保険料や掛け金がそれだけ多く発生してしまうことになります。
長期で継続して支払うことになる個人年金保険や確定拠出年金だからこそ、毎月の資金としてどのくらい余裕があるかを考えて、併用するかどうかを決めるようにしたいところです。
個人年金保険と確定拠出年金(ideco)は目的に応じて選ぼう
どちらも所得税などの控除を受けることができますが、より多くの控除を得られるのは確定拠出年金の方です。節税効果を目的とするなら、確定拠出年金を選ぶことをオススメします。
ただ、確定拠出年金は受取金額が運用実績に応じて変動するリスクもあります。最初から受け取る金額が決まっている個人年金保険が安心だと感じるなら、そちらを選択すると良いでしょう。
やっぱり老後資金を確保するために始めるのですから、契約時に受取金額が決まっている個人年金保険が魅力に思えます。