個人年金保険は終身年金を選ぶと損!?その真偽をチェック
個人年金保険には、終身年金があります。終身年金は、死ぬまでずっと年金を受け取ることができるというもので、一見ものすごくメリットがあるようにも思えます。
しかし、実は終身年金を選ぶことは損だという意見もあるのです。個人年金保険の終身年金は得なのか損なのか、その真偽のほどを終身年金のメリット・デメリットを比較しながら徹底チェックしていきましょう!
個人年金保険の終身年金と確定年金の違いとは
個人年金保険には、終身年金と確定年金があります。まずは、これらの違いについて確認しておきましょう。
終身年金と確定年金の最大の違いは、受け取ることができる金額が決まっているか決まっていないか、という点です。
分かりやすいよう、表で比較していきます。
項目 | 終身年金 | 確定年金 |
---|---|---|
年金の 受取方法 |
・一生涯受け取り可能 | ・決まった期間は必ずもらえる |
受取総額 | ・生きている限り受け取れるので 長生きしただけ増えていく |
・契約時点で決まった金額 |
死亡時 | ・死亡すると受け取りが終わる ・保証期間を別途設けて その期間は受け取れるよう 契約することも多い |
・約束された期間については 生死にかかわらず受け取れる ・年金もしくは一時金を遺族が 受け取り可能 |
個人年金保険は、確定年金を選ぶか終身年金を選ぶかによって、その仕組みが大きく受け取る金額などが変わってくるのが分かりますね。
申し込む際には、この違いをしっかり把握しておきたいですね。
個人年金保険にもいろいろ種類があるということは、認識しておきたいですね。
終身年金のメリットを解説
個人年金保険の終身年金には、以下のメリットがあります。
- 死ぬまでずっと受け取り続けられる
- 長生きすればするほど、払込保険料よりも多くの金額を受け取れる
これらのメリットについて、詳しくご紹介していきます。
死ぬまでずっと受け取り続けられる
終身年金は、その名の通り身が終わるまで、つまり死ぬまで受け取ることができる年金です。
確定年金は、一定期間、もしくは一定の金額しか受け取ることができません。老後資金を補うという意味では、生きている間保証される終身年金はかなり大きな魅力があると言えます。
払い込んだ保険料を超える金額を受け取る際に、追加で支払いを求められるということはないのですよね?
限られた資産で死ぬまでの保証が受けられるのは、嬉しいですね。
長生きすればするほど、払込保険料よりも多くの金額を受け取れる
終身年金は死ぬまで受け取ることが可能なので、受け取り期間が長くなれば払込保険料よりもかなり多くの金額を受け取ることができる可能性があります。
毎月一定額が保証され、それが死ぬまで続くこと、そしてただ貯金をして微々たる金利を得るよりお得になる可能性があることは、終身年金のメリットだと言えるでしょう。
終身年金のデメリットを解説
では、個人年金保険の終身年金にはどのようなデメリットがあるかについても、しっかりチェックしていきましょう。
- 払込保険料が割高になる
- 早く死亡した場合は逆に損をする可能性が高い
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
払込保険料が割高になる
実は、終身年金は毎月の払込保険料が確定年金よりも割高になる傾向があります。
確定年金の場合は、月々の払込金額は1万円前後から商品があります。
しかし、終身年金は基本年金額が30万円以上といった制約があることも多く、毎月の払込保険料は2~3万円前後の高額になることが多いのです。
定めた年齢から受け取ることができる所定の年金額。個人年金保険の終身年期の場合、基本年金額30万円以上という制約をカバーするためには、総額で600万円以上は保険会社に払い込む必要がある。
そのため、月額にして2~3万円の保険料払込みが必要となり、確定年金の保険料支払いよりも負担が大きくなる。
年金を受け取るまでの数十年、この金額を支払い続けなければいけないというのは、終身年金のデメリットになると言えます。
もっと安い終身年金はねえのか?
求める金額が大きければ、ある程度の負担は避けられないのです。
早く死亡した場合は逆に損をする可能性が高い
終身年金は、生きている限り年金を受け取ることができるわけですが、逆に言えば死んでしまえば受け取りが終了してしまうということになります。
つまり、早く死んでしまった場合、受け取る保険料が払込保険料よりかなり少なくなり、大きく損をする可能性があるのです。
ただ、終身年金では最低この期間だけは確実に年金を支払いますという保証期間が付いている商品が一般的です。
終身年金を申し込む際には、この保証期間が設定されているかどうかしっかりと確認しておきましょう。
終身年金で元を取るためには何歳まで生きれば良い?
ではここで、終身年金のデメリットとして挙げられている、早期死亡時の元本割れについて考えてみましょう。元本割れしないためには、長生きするしかありません。
終身年金で何歳まで生きれば元を取ることが出来る、お得になるのでしょうか。ここでは、とある保険会社の終身年金を申し込んだ場合を例に考えてみましょう。
具体的な条件は、こちらで計算しています。
- 年齢…30歳
- 月払い保険料…15,597円
- 払込期間…65歳満了
- 保証期間…10年
では、見ていきましょう。
35年間の払込保険料総額 | 毎年の受け取り保険料 | 元が取れるまでの年数 |
---|---|---|
15,597円×12か月×35年 =6,550,740円 |
300,000円 | 6,550,740円/300,000円 ≒22年 |
つまり、22年は保険料を受け取らないと元を取ることができないわけですね。65歳から受け取り初めると、87歳以上まで生きなければ元は取れないという計算になります。
ちなみに、保険料払い込み後に死亡してしまった場合、こちらの商品には10年の保証が付いているので、300,000円×10年=3,000,000円は保証されます。
ただ、払込保険料よりは受け取ることができる保険料が少なくなってしまうのは確かですので、終身保険は長生きしなければデメリットが大きくなってしまう商品であるという一面があるのも確かですね。
個人年金保険で終身年金を選んで得する人は?
では、実際個人年金保険で終身年金を選ぶのは得なのでしょうか。それとも損なのでしょうか。
個人年金保険は、長生きするのであれば受け取り年金額が払込保険料を超えますので、確実に得をします。生きている間はずっと保証されているというのも魅力です。
ただ、高い保険料をせっかく払い込んでも思ったよりも早く亡くなってしまえば、家族には保証期間分の金額しか残すことができず、損をしてしまう恐れもあります。
それで終身年金を選ぶ奴なんかいるわけ?
毎月の払込保険料が高額になっても負担が少なく、老後は公的年金と終身年金で賄い、家族には他の資産を残すことができます。
俺には関係ねえし。あーショックだわ。
夫の方が先に亡くなってしまうことが多いので、妻に個人年金保険を掛けることで妻が死亡するまでの保証を確保することができるのだということも覚えておきましょう。
個人年金保険の終身年金はメリット・デメリットを確認してから選ぼう
ただ、その一方で死亡時からは受け取りができなくなり、元本割れするリスクも高いということを覚えておかなければいけません。終身年金には5年や10年といった受け取り保証がついている商品もありますが、その期間では払込保険料を全額回収することはできません。
終身年金では、20年以上は受け取り続けなければ元を取ることができません。そのことをよく認識した上で、検討するようにしたいですね。
ずっと受け取り続けるか、決まった期間は約束されるか、悩ましいじゃねえか。