万が一の時に定期預金を保護するペイオフ(預金保険制度)を徹底解説

定期預金 2018.09.03

定期預金は、元本が保証されて金利を得られるというものですよね。普通預金より金利が高いこと、そして投資信託や株式投資はリスクがありますが、定期預金は安心して資産を増やすことができるので誰でも安心して始められます。

ただ、定期預金は必ずしも元本が保証されるものなのでしょうか。もし定期預金を預け入れている銀行が破綻したら、きちんと満額保証されるのか不安ではありませんか?銀行が破綻する可能性はあるのか、そして定期預金の保証はどうなっているのか、気になる疑問にお答えしていきましょう。

定期預金の保証はどうなってる?知っておきたい預金保険制度とは

定期預金は、預け入れた資産で運用を行う投資信託とは異なり、元金が保証された状態で利息を得ることができる安心の資産運用法だと言えます。

定期預金の利率が高ければ、それだけ多くの利息を得ることができるので定期預金を選ぶときは利率や預け入れ期間をしっかりチェックすることが大切です。

定期預金の基本情報については、こちら知っているようで知らない!定期預金の仕組みとは?の特集記事で詳しくご紹介しています。

元金保証が最大の魅力とも言える定期預金ですが、もし預け入れている金融機関が破綻する、潰れてしまうようなことになればどうでしょうか。

金融機関は、未来永劫必ずあり続ける、何があっても存在し続けると言うものではありません。業績や資金繰りが悪化すれば、当然破綻することもあり得ます。

そうなったときに不安になるのが、定期預金は保証されるかどうか、という点ですよね。

実は、定期預金は万が一銀行がつぶれてしまったときでも、元本の1,000万円までを保護するという制度があります。

つまり、定期預金や普通預金も1,000万円を超えなければ全額保証されるわけです。

この制度が、預金保険制度なのです。

預金保険制度の概要をご紹介

預金保険制度は、ペイオフとも呼ばれています。この制度、具体的にはどのような制度になっているのでしょうか。

預金保険制度(ペイオフ)では、保護される預金額に上限が設けられています。

当座預金
普通預金(利息なし)
普通預金
定期預金
定期積金
外貨預金
譲渡性預金
無記名預金
全額保護(上限なし) 金融機関ごとに
1人あたり元本1,000万円まで
保護対象外
通常の利息がつく定期預金の場合は、1つの金融機関で1人あたり1,000万円を上限として保護されています。このとき、元本に対して得た利息も保護対象となっています。
利息がつかない普通預金って何?

普通預金って利息あるんじゃないの?

普通預金には、無利息型と呼ばれるものがあります。

利息がないことはデメリットに思えるかもしれませんが、高額な預金をする際にはペイオフで全額保護してもらえる無利息型を選択した方がメリットがある場合もあるのです。

ちなみに、定期預金で1,000万円を超える部分については、金融機関によって余裕があれば支払われますが、カットされる恐れもあるわけです。

この上限金額は、1つの金融機関ごとの上限となっています。資金に余裕があり、定期預金を検討している場合は、複数の金融機関に分けて預け入れるという方法も検討すると良いでしょう。

定期預金の上手なやり方については、こちらの記事でご紹介しています。

1つの金融機関での上限1,000万円は普通預金が優先

1つの金融機関で、1,000万円を上限として保護される預金ですが、実は定期預金よりも普通預金が優先されてしまいます。

例えば、普通預金の元金が500万円、定期預金の元金が700万円あった場合は、普通預金の500万円を優先して保護し、定期預金は700万円のうち500万円しか保護されないのです。

せっかく利率の良い定期預金よりも普通預金が優先されてしまいますので、もしそれが気になるということであれば、預け入れ合計額が1,000万円を超える場合は普通預金を別の金融機関に預け入れるなど検討すると良いですね。

定期預金の方が利率が高い、得だと言われてるけど実際はどのくらい得なのか知りたいという方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

定期預金のペイオフ対象金融機関とは

定期預金を取り扱っている全ての金融機関が、ペイオフの対象という訳ではありません。ここでは、ペイオフの対象であり、定期預金が上限1,000万円まで保護される金融機関についてご紹介しておきましょう。

  • 日本国内に本店のある銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 信金中央金庫
  • 全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫連合会

預金保険制度に加入している金融機関であれば、預金をすると自動的にこの制度の対象となりますので特に手続きは必要ありません。

こう見ると金融機関全部がペイオフ対象だと思うのですが、対象外にはどのような金融機関があるのですか?
預金保険制度の対象外としては、日本国内に本店のある金融機関が海外支店で受け入れた預金が挙げられます。

また、農水産業系の金融機関については、預金保険ではなく農水産業協同組合貯金保険制度というのが設けられています。

農水産業協同組合貯金保険制度とは

こちらの制度も、預金保険制度と内容はほとんど変わりません。

農水産業協同組合貯金保険制度でも、貯金、定期貯金、貯蓄貯金。定期積金、などに対して、元本1,000万円までとその利息が保護されるようになっています。

また、外貨貯金などの対象外となるものもあります。

基本的に定期預金であれば、上限を1,000万円として保護されていると認識して大丈夫でしょう。

戦後都市銀行として唯一の破綻!北海道拓殖銀行とは

銀行は破綻するはずがない、そんなイメージをもつ人もいるかもしれませんが、戦後に1つだけ都市銀行であるにもかかわらず破綻した銀行があります。それが、北海道拓殖銀行です。

特殊銀行として発足しましたが、その後に普通銀行に転換、都市銀行となりました。つまり、今で言うみずほ銀行や三菱UFJ銀行、三井住友銀行と肩を並べる銀行だったのです。

その銀行がつぶれた原因としては様々な要因が挙げられますが、主な原因はバブル崩壊と不良債権の急増です。営業譲渡先として北洋銀行が選ばれ、その後も合併や譲渡を繰り返し、現在は三井住友信託銀行となっています。

銀行が破綻をすること、そして合併を繰り返すことは、現実に起こり得ることだからこそ、預金保護制度があることは重要なのですね。

銀行が破綻っていうのはあり得ない話ではないのですね。自分が使っている銀行が破綻すればパニックになってしまいそうです。

やはり、すぐに預金は下した方が良いのでしょうか。

銀行が破綻したとしても、ご紹介した通り上限1,000万円までは必ず保護されるようになっていますので落ち着いてください。

すぐに引き出すことのデメリットについては、次でご紹介します。

銀行が危ないと思っても預金を引き出すべきじゃない!?

自分が利用している銀行が破綻するかもしれない、危ないかもしれない、そんな噂が聞こえてきたら、焦って自分の預けている資金を全額引き出そうとするかもしれません。

でも、その必要はありません。なぜなら、先ほどから紹介している通り利息がつく普通預金や定期預金は、上限1,000万円まで保護されているためです。

また、すぐに引き出してしまうことによるデメリットもあります。

定期預金は、満期まで預け入れることを前提として高利率になっているものです。ですから、満期より先に引き出してしまうと適用金利が下がりせっかくの定期預金の意味がなくなってしまいます。

元金とそれに伴う利息は保証されているわけですから、できるだけ長く、満期まで預け入れるというのが理想なのです。

銀行が破綻するとなった際には、銀行からの案内を待ち、それに従って手続きをすることをオススメします。

定期預金を満期前に解約することについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

定期預金は銀行破綻時でも1,000万円まで守られる!

日本国内に本店のある銀行や信用金庫などに預け入れた定期預金については、預金保険制度(ペイオフ)の対象となっているので万が一の時でも元本1,000万円までとその利息が保護されています。

ですから、破綻しそうだからといって慌てて預金を引き出す必要はないのです。慌てて引き出すことで、せっかく得られるはずだった利息が減ってしまう可能性もあります。

定期預金は保護されているということを認識し、落ち着いて行動したいですね。ただ、保護される預金は普通預金が優先されることになっています。

1つの金融機関に預け入れている普通預金と定期預金の合計額が1,000万円をオーバーしている場合は注意が必要です。

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