定期預金がマイナスになることがある!?その原因と対処法とは

定期預金 2018.09.03

定期預金で一定の資産を預け入れていたはずなのに、気づいたら残高が減っている、つまり通帳残高がマイナスになっている、そんな事態が起り得ることを知っていますか?せっかく高い利率で預け入れた定期預金の残高が減ってしまえば意味がありません。

そこで今回は、定期預金がマイナスになってしまう原因、マイナスになるとどういったリスクがあるのか、そしてどのような対処法があるのかについて、詳しくご紹介していきましょう。

定期預金通帳の見方をご紹介

定期預金については、通帳が見づらいと思う方も少なくありません。ここではまず、定期預金通帳の見方についてご紹介しておきましょう。

定期預金通帳の見方を知る為には、表記されている内容について理解する必要があります。

金融機関について多少内容が異なる場合がありますが、主な項目についてご紹介していきましょう。

項目 内容
適用 ・新規…定期預金新規作成時
・お預かり…2回目以降作成
・ご解約…解約時
・ご継続…満期後自動継続の場合
満期取り扱い方法 ・元金継続…満期日に元金のみ継続、
      利息は指定口座入金
・元利継続…満期日に利息、元金を継続
・自動解約…満期日に元利金を指定口座に入金
・現金…満期日以降解約
期間 ・指定期間
・据置期間
・満期日までの期間
預かり口数 ・合計口数
・合計残高

解約していればそれは普通預金口座へ移動されるなどしていますし、継続や預かり表記の欄を見れば現在預け入れている金額を知ることができます。

ゆうちょ銀行の場合は、払い戻しスタンプや支払年月日欄に印字があれば、それはすでに支払われた、もしくは普通貯金口座などに入金されたということを示します。

また、払い戻しや支払い年月日欄への記載がない場合は、現在預金しているという状態です。

いつまで定期預金もしくは定期貯金を預けることになっているのかは、それぞれ期間の欄や払い戻し年月日を見ると良いでしょう。

定期預金の通帳には、多くの情報が記載されているのですね。

確かに見づらいとは思いますが、何がどこに書いているのか、そしてその意味が分かれば大丈夫そうですね。

通帳を記帳したら定期預金がマイナス!?その理由は総合口座

通帳を記帳した際、定期預金残高がマイナスになっていることがあります。

なぜ定期預金の残高がマイナスになるのか、それは定期預金口座が総合口座になっていることが原因です。

定期預金で総合口座を利用している場合、実は自動融資機能を受けることができます。

自動融資機能とは

普通預金口座がカードや公共料金などの引き落としによってマイナスになった場合、自動的に定期預金から融資を行うというもの。

料金や費用の引き落としの際、口座残高が不足すれば引き落とすことはできません。引き落としができなくなれば、最悪の場合電気やガス、携帯電話の利用停止などになる可能性がありますよね。

しかし、定期預金からの自動融資機能があればその心配はなくなります。普通預金口座の残高がゼロになることがあるのであれば、この自動融資機能は嬉しいサービスと言えるでしょう。

なるほど、定期預金の残高が減るのは、この自動融資機能で定期預金から借り入れたからか。

この自動融資って、いくらまでOKなの?定期預金に預けてる分だけ?

金融機関によって異なる場合もありますが、自動融資機能は定期預金の90%までなど限度額が決まっています。

ただ、自動融資機能を使うことで損をすることもありますので、そのあたりも認識しておきましょう。リスクについては、後程ご紹介します。

定期預金残高がマイナスになるのは、自動融資によって借り入れをしているためだと覚えておきましょう。

定期預金がマイナスになったときの対処法とは

定期預金がマイナスになる、自動融資機能で借り入れをしている場合、普通預金から無事に引き落としが出来て良かったな、で終わるわけではありません。

借入をした定期預金ですが、これは自分から自分へ借入したわけではなく、銀行から借り入れをしている状態になります。つまり、借入をしている期間だけ利息がかかってしまうのです。

マイナスになったときは、速やかにマイナスになった口座に入金して元に戻す必要があります。

ただ、どうしても手元に資金がなくて入金できない、返済できない場合もありますよね。

利息は1日ごとに発生し、その利率は金融機関によって異なりますが多くが定期預金利率プラス0.5%となっています。

つまり、定期預金で受け取る利息より自動融資による借入の支払い利息の方が大きいのです。

自動融資機能を使えば、返済しない限り利息が発生してしまうのですね。

早く返済しなければいけないことは分かりましたが、返済できるだけの資金がない場合はただ利息が膨らむのを見ているしかないのでしょうか。

すぐに返済できない場合の対処法については、定期預金を解約するか、資金が用意できるまで待つかの2択が考えらえます。

どちらがお得なのかは、この後ご紹介します。

 

定期預金がマイナスになったら解約した方がお得!?

定期預金がマイナスになった場合、解約する、そのまま返済資金が用意できるまで待つ、どちらが得をするかについては、借入期間や定期預金の金利によって異なります。

ここでは、500,000円の定期預金があり100,000円の自動融資機能を用いた場合を見ていきます。

金利条件は、こちらです。

  • 自動融資借入利率…0.53%(0.03%+0.5%)
  • 定期預金金利…0.03%
  • 解約後適応金利…0.01%

定期預金は、満期前に解約すると適用利率が普通預金並に下がってしまうデメリットがあります。

満期前に定期預金を解約する際の注意点については、こちらの記事でも特集しています。

では、具体的な金額を見ていきましょう。

項目 金額
1年間の受け取り利息 500,000円×0.03%
=150円
税金を除く
=150円ー30円=120円
借入利息 1年間の借入利息
…100,000円×0.53%=530円
60日の借入利息
…530円×60/365日=87円
100日の借入利息
…530円×100/365日=145円
定期預金解約した際の
受取利息
400,000円×0.01%=40円
40円×20.315%=8円
40円-8円=32円

仮に定期預金を解約しないという選択をした場合、通常であれば1年間で120円の利息を受けることができます。

ただ、自動融資による借入をすることで、60日間で返済すれば87円、100日間で返済すれば145円の利息を支払わなければいけません。

60日間で返済すれば受け取るはずだった120円の利息から87円を差し引いて33円ほど利益を得ることができます。

一方、100日間で返済した場合は、定期預金で受け取る予定だった利息よりも借入した際の支払い利息の方が大きくなってしまう事態になります。

この場合は、定期預金を解約して100,000円を返済し、残高である400,000円を解約して普通預金に移した方が、利率自体は下がっても1年間で32円の利息を受け取ることができるので、全体でもプラスとなります。

せっかく高い利率で預けたはずの定期預金をそのままにしていると損をする可能性があるのですか。

解約した方が傷が浅いというのは残念ですね…。

定期預金がマイナスになった際に定期預金を解約すべきかどうか、それはいつ返済できるのか、利率がいくらになのかによって変わるということを覚えておきましょう。

定期預金によって得られる利息について知りたい方は、こちら定期預金でいくら得する?金利計算に必要な知識を詳しくご紹介!の記事も読んでみてくださいね。

総合口座の普通預金残高が不足した際は定期預金から自動融資される!

定期預金が総合口座になっている場合、普通預金口座の残高が不足時に定期預金から自動的に借り入れを行う自動融資機能が付与されています。

自動融資が実行されれば、それは自分の定期預金資金でも銀行から借り入れをしている状態になるので返済時には利息を支払わなければいけません。

借り入れの利息が定期預金で得られる利息より高くなれば、損をしてしまうことになってしまいます。その際は、定期預金を解約して速やかに返済して普通預金口座で利息を得た方が、お得な場合もあるのです。

自動融資によって定期預金がマイナスになった際は、いつ返済できるかによって定期預金の解約を検討する必要があるのです。

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