定期預金でかかる税金がお得に!?その仕組みや方法についてご紹介

定期預金 2018.08.30

定期預金の利息が課税対象となっていることは知っていますか?実は、定期預金にかかる税金は、税率で言えば小さなものではありません。

ただ、定期預金の税金は条件に合致すれば非課税とすることも可能ですし、預金の金額によっては税金をかなり抑えることも可能です。

定期預金ではどのくらい税金がかかるのか、そして税金をお得にするためにはどうすれば良いのか、知って得する情報をご紹介しましょう。

定期預金の利息にかかる税金についてその税率や仕組みをご紹介

まず、定期預金の利息にはどのくらいの税金がかかるのかをご紹介しましょう。

定期預金の利息には、税率で20.315%の税金がかかります。

この税率には、期間限定で東日本大震災の復興所得税として0.315%が含まれています。

復興所得税は、2013年1月1日から25年間継続するものですから、当分は20.315%の課税となることを押さえておきましょう。

定期預金の利息にかかる税金の計算方法

定期預金にかかる税金額を知る為には、まず利息がいくらもらえるのかを計算する必要があります。

その計算式は、次の通りです。

預け入れ金額×金利=利息

この利息に20.315%を掛け合わせたものが、支払う税金額となります。

一例として、次の場合の利息額、税金額を算出してみましょう。

  • 預け入れ金額…100万円
  • 預け入れ期間…1年
  • 利率…0.1%

預け入れ金額が1年ですので、そのまま100万円に0.1%の利率を掛け合わせたものが利息額となります。

満期時の定期預金総額 税引前利息 税引き後利息
1,000,797円 1,000円
*100万円×0.1%
797円
*1,000円ー(1,000円×20.315%)

つまり、およそ200円程度が税金として引かれてしまうわけです。

現在は、超低金利時代ということで定期預金自体の金利がかなり低くなっています。

当然、受け取り利息額も少額となっていますから、引かれる税金もそこまで大きくなりませんよね。

 

確かに、利息額が少ないので税金額も少額です。

ただ、微々たる利息から更に引かれてしまうのも残念ですので、税金としていくら引かれるのかはしっかりと認識しておきましょう。

定期預金で得られる金利については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

定期預金にかかる税金は確定申告不要!

定期預金では、利息に税金がかかるということを紹介しました。

この受取利息に対する税金ですが、確定申告をする必要はありません。なぜなら、定期預金の利息は税金が引かれた状態で受け取ることになるためです。

自分で税金を支払う、申告する必要がないため、確定申告は不要というわけですね。

また、所得が少ない、あるいはゼロという場合でも、還付申告をしても還付を受けることができません。

確定申告不要の源泉分離課税って何?

定期預金などの預貯金の利子は、源泉分離課税となります。

源泉分離課税とは、他の所得と分離し、別の所得として考え、税金額を計算するというものです。

源泉分離課税は、支払う側があらかじめ所得税を源泉徴収していますから、そこで納税が完了します。

受け取る側が何の手間もかからないというのが、源泉分離課税の特徴なのです。

一方、上場株式等の譲渡益や配当などは、申告分離課税となります。こちらも他の所得と合算せずに、分離して税金の金額を計算することになりますが、確定申告が必要となります。

預貯金も株も同じように利益を得てるような感じだけど、確定申告が必要だったり不要だったりするんだね。
特定の利率で利益を得られるという点は同じですが、利子は利子所得、株式の配当は配当所得となりまったく違う物となります。

その点は認識しておきましょう。

定期預金の利息は非課税になる!?その条件とは

定期預金の利息は、課税されるのが原則です。ただ、条件を満たせば非課税とすることもできます。それが、障害者等のマル優制度です。

この制度は、一定の要件に該当する人は預貯金の利子にかかる税金も非課税になるというものです。

では、一定の要件についてご紹介します。

障害者 寡婦等
身体障碍者手帳の交付を受けている
障害基礎年金の支給を受けている
療育手帳の交付を受けている
遺族基礎年金の受給者である被保険者の妻
寡婦年金の受給者
児童扶養手当の支給を受けている児童の母親

この条件を満たせば、利子所得を非課税とすることができます。
 

障害者等のマル優制度というのがあるのですね。

この条件を満たせば、いくらでも利子所得は非課税になるのでしょうか。

非課税の上限として、定期預金などの預貯金はそれぞれ元本で350万円までと決められています。

国債や地方債などの合算で1,050万円までが非課税範囲です。

障害者等のマル優制度を利用する方法

障害者等のマル優制度を利用するためには、手続きが必要です。

最初の預け入れをする日までに、非課税貯蓄申告書を金融機関から税務署長に提出しなければいけません。

また、預け入れの都度、非課税貯蓄申込書という書類の提出が必要となります。

申告をする際には、マル優制度の条件を満たすかどうか確認するために以下のような確認書類の提出が求められます。

  • 身体障碍者手帳
  • 年金証書
  • 個人番号カード

必要な書類については、定期預金申し込み前に金融機関で確認しておくようにしましょう。

定期預金にかかる税金をできるだけ抑えるための方法

定期預金にかかる税金は、障害者等のマル優制度を利用できなければ避けることはできません。

しかし、できるだけその金額を抑えることは可能です。その方法が、次の2つです。

  • 利息13円までにする
  • 受取利息を6円以下にする

それぞれの方法について見ていきましょう。

利息を13円までにする

まず原則として、利息にかかる税金は端数切捨てとなります。

例えば、10円の利息に対して課税される税金は20.315%ですが、これは国税(復興所得税含む)の15.315%と地方税の5%の合計です。

国税
復興所得税含む
地方税 合計額
10円×15.315%=1.5315円
端数を切り捨てると1円になる
10円×5%=0.5円
端数を切り捨てると0円
1円+0円=1円

この計算で考えていくと、年間13円までの利息であれば課税される税金は1円に抑えられるのです。

年間利息が13円となれば、どのくらいの金額を預け入れれば良いのでしょうか。

仮に利率が0.01%の1年満期の定期預金であった場合、13万円の元金で13円の利率となります。

現在は超低金利時代ですから、0.001%の利率だとして計算すれば、130万円預け入れても年間で1円の税金が引かれるだけで済むことになるのです。

ただ、そうは言っても130万円預けて13円しか利息が得られないのは残念ですよね。そのときにオススメなのが、短期の定期預金を利用するということです。

定期預金には2週間、1か月といった短期の定期預金もあり、それを利用すればもう少し効率よく定期預金を運用することができるのです。

定期預金を分けて利息の金額を押さえても、合算すれば課税対象になるのではないですか?
先ほどご紹介した通り定期預金はあらかじめ税金が引かれた状態で受け取るものです。それを合算して課税されることはありません。

商品ごと、預貯金1つずつで考えて大丈夫なのです。

損せず定期預金を利用する方法について興味がある方は、こちら知らなきゃ損!上手な定期預金のやり方をチェックの記事を参考にしてください。

受取利息を6円以下にする

実は、利息が6円以下の場合は課税対象から外れます。

6円以下の利息になるように元金を計算し、それを短期の定期預金に複数に分けて預け入れれば、非課税で定期預金を利用できる可能性があるわけです。

利率0.01%で2週間満期の定期預金を利用する場合、実施利率は14/365をかけた0.00038%です。150万円預けても利息は6円未満となりますので、利息は非課税となります。

同じ利率で1年満期にした場合は、150万円預けてしまうと150円の利息となり、当然20.315%である30円が税金として引かれてしまいます。

同じ150万円でも、満期になる期間を考えることで受取利息を抑え、結果的に非課税とすることができるということを押さえておきましょう。

ただ、複数に分けて運用する際には、各定期預金の最低満期期間、そして最低預入金額について確認しておく必要があります。

定期預金についてもっといろいろな情報を知りたいという方には、こちらの特集記事がオススメです。
知っているようで知らない!定期預金の仕組みとは?

定期預金でかかる税金は確定申告不要!

定期預金では、利息を受け取る際にあらかじめ税金が差し引かれていますので確定申告をする必要はありません。その税率は20.315%ですが、障害者等のマル優制度を利用すれば非課税とすることもできます。

この制度を使う時は、定期預金を申し込む前に手続きが必要なので、必要な書類などについて確認しておきましょう。

また、利息が6円までの場合は課税対象となりません。複数の定期預金に預ける、短期の定期預金で利息を抑える、ということを検討してみるのも良いでしょう。

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