手付金とは?住宅ローンの審査前に、売買契約で必要とされる現金です
住宅の購入を検討しはじめた方なら、不動産会社やハウスメーカーなどへ気になるあれこれを聞いて回っているかと思います。あこがれのマイホーム、夢がふくらみますよね!
しかし、いざ住宅を購入するぞ!といった契約段階に入ったとき、いろいろなお金が必要となることがわかります。手付金や頭金、諸費用、そして住宅ローン。想像している以上にお金が必要になることも。特に現金で用意しなければならないことも多いようです。
さて今回は、住宅を契約する段階で必要になるお金の中でも「手付金」について。手付金は
- いつ・いくらくらい必要なのか?
- 本当に戻ってくるのか?
などといった疑問にお答えしていきます。
手付金ってどんな費用?住宅ローンの前に必要な理由も解説
一般的に手付金とは、契約を申し込む意思を表示するために支払うお金のこと。契約後は返還される場合やそのまま商品代として充当される場合が多いようです。
ここでは住宅の購入時における手付金について説明していきたいと思います。
手付金ってなに?住宅ローンの頭金とはどう違うの?
手付金とは、土地や住宅を必ず購入します!という意思を示す証拠となるもの。
土地や住宅の購入はほとんどの場合、高額な取引となります。買主が途中で「契約をなかったことにしたい!」と言い出してしまうと、売主は損害を被ることもあり得ます。そういったことを防ぐために手付金というものが存在するのです。
この手付金の使い道は、契約がキャンセルにならない限り
- 売買代金として充当される
- 買主に返還される
この2パターンとなります。
ただし契約成立後に買主がキャンセルをしてしまうと、手付金は基本的に返還されないので注意しましょう。
また手付金と同じように現金で支払うお金として頭金があります。頭金は住宅ローンの借入額を減らす為に用意するお金であり、手付金と違って必ずしも必要ではありません。
頭金の特集記事もございます。気になる方はコチラをご覧ください。
手付金の相場とは?
例えば1,000万円の土地を購入するとき、手付金は50万円~100万円が目安となります。また一律100万円としている場合もあるので、手付金がいくらになるかはまさにケースバイケースとなりますね。
さて、手付金は物件を購入する意思を示すものと説明してきました。したがって、あまりにも安すぎる額だと簡単に契約をなかったことにする人もいるかもしれません。そこである程度の金額を払うのが契約時の慣習となっているのです。
住宅ローンの審査が通らない!そんなとき手付金は返ってくるの?
契約が成立したけれど、やっぱりキャンセルしたい・・・そのような場合、手付金は返ってくるのでしょうか?
ここでは
- 買主都合によるキャンセル
- 売主都合によるキャンセル
というケース別に紹介します。
【買主都合によるキャンセルの場合】手付金は基本的には返ってこない!
契約が成立し手付金を支払ったあと基本的に契約はキャンセルできません。
例えばやっぱり住宅を購入するのはやっぱりやめよう・・・とか他の物件の方が気に入ってしまった!など、買主側の都合によって契約をキャンセルするとなると手付金は返ってこないのです。ただし、買主都合によるキャンセルとなった場合でも手付金が返還されるケースがあります。
そのポイントとなるのが「住宅ローン特約」です。
住宅を購入する手続きでは、売買契約書を作成します。そして売買契約書の契約条項の中に、住宅ローン特約という条項が記載されているのです。
この住宅ローン特約があれば、ローンの審査が通らなかったとき契約をキャンセルすることも可能。住宅ローンをあてにしていたのに購入代金を用意できないといった場合は、契約をキャンセルできるとともに手付金も返還されるので安心ですね。
ちなみにこの住宅ローン特約が記載されておらず住宅ローンの審査が通らなかった!となると大変なことになります。
売買契約書の中に住宅ローン特約が記載されているか必ず確認するようにしましょう。
【売主都合によるキャンセルの場合】手付金は倍になって返還される。
契約をキャンセルしないといけないような場合は、なにも買主都合によるものだけではありません。当然ハウスメーカーや不動産業者の都合によって契約をキャンセルしないといけないこともありますよね?
そういった場合、売主側は受領した手付金の倍の額を買主側に返還することにより契約をキャンセルできるとされています。
土地や家、マンションを買う時に必要な手付金!支払うタイミングは?
手付金とはどのような費用なのかよくお分かりいただけたかと思います。それでは、最後に不動産を購入するケースの場合、どういったタイミングで手付金が必要となるのか流れを見てみましょう。
手付金を払うタイミングはいつ?
手付金は、土地や住宅を購入するときの「売買契約時」に支払いをします。
たとえば、中古マンションを購入する際には次のような手順を踏みます。
- 申し込み
- 売買契約
- 手付金の支払い
- 住宅ローン審査
- 決済(引き渡し)
ちなみに、物件によっては「申込金」が現金で必要な場合もあります。購入検討時に、その物件を取り扱う不動産業者などへ確認しておきましょう。
手付金を住宅ローンに組み込むことはできない!
住宅ローンを低金利で借りられる今だからこそ、フルローンで住宅を購入する人もいます。
しかし、手付金が必要となるのは住宅ローンの融資が実行される前。
手付金は現金で用意しなければなりません。手付金は基本的に物件価格の5~10%ですので、数十万円から数百万円ぐらいのまとまった金額になります。
また、住宅を購入する場合は手付金だけでなく諸費用や頭金など、物件価格だけでなく他の費用も必要となってきます。余裕をもった資金計画が大切になってきますね!
契約段階で必要な手付金。計画的に用意しておこう!
基本的に買主都合で契約をキャンセルすると手付金は戻ってきません。(売主側の都合によりキャンセルとなった場合は倍額で返還されます。)
しかし、住宅ローン特約があれば住宅ローンの審査が通らなかった場合に手付金の放棄なしで契約を解除できるので、この特約が記載されているかは必ず確認するようにしましょう。
手付金をとりあえず用意して払っても、資金計画で手付金も含めた必要資金すべてを住宅ローンに組み込んだ場合(フルローン)は、最終の融資実行時で手付金分を回収することができます。
また、住宅ローン特約には、金融機関名や金利・返済年数・借入金額など具体的な申込内容を必ず記載するようにしてください。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。