更地の固定資産税を軽減させる5つの対策とその効果を徹底解説!
当記事では更地の固定資産税における、次の疑問を解決しています。
・更地と空き家のままとの固定資産税の違いを知りたい
・更地の固定資産税を安くする方法が知りたい
更地の固定資産税を少しでも軽減させる対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
更地の固定資産税は宅地とどう違う?住宅用地の特例を理解しよう
更地とは建物などが何も建ってなく、借地権といった使用収益を制約する権利が付いていない土地のことをいいます。
そして人が家を建てて住むための土地は、宅地といわれます。
宅地には固定資産税をなるべく減らすための特例措置が図られるため、更地に比べて税負担がかなり抑えられているのです。
住宅の建っていない更地では、住宅用地の特例が適用外となってしまうため、軽減される前の固定資産税を支払わなければなりません。
たとえば小規模住宅用地の特例が適用される場合、課される固定資産税額は本来の1/6まで減額されます。
この宅地の家屋を壊して更地にすると、特例が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍にまで跳ね上がってしまうのです。
空き家を更地にすると固定資産税がアップ!特定空き家にも要注意
固定資産税を軽減させる住宅用地の特例は、親などから相続した空き家にも適用できます。
納税額アップを避けるため、あえて空き家を壊さずそのままにしている人も多いようです。
空き家を解体して更地にするには、解体や害虫駆除などの費用がかかり、再建築不可の場合は新たに建物を建てられなくなるリスクもあります。
更地にする費用やリスクを考えると、現状のまままで固定資産税額を抑えるほうがよほど経済的といえるでしょう。
しかし所有する空き家が「特定空き家」に指定されると、固定資産税の特例適用外となってしまいます。
空き家のなかでも放置などによって、周辺住民に悪影響を及ぼす恐れのある住宅のこと
つまり特定空き家に指定された場合も、更地と同様に、固定資産税が最大で6倍にまで跳ね上がってしまうのです。
また自治体から強制的に空き家の修繕や立ち木の伐採などの措置を要求されるデメリットも。
もちろん措置のためにかかった費用は、特定空き家の所有者に請求されます。
空き家の手入れがなかなか行き届かない場合は、行政の指導が入る前に更地にして売却や土地活用などの対策をしておくのがおすすめです。
住宅用地の特例や空き家の固定資産税について、次の記事で詳しく紹介しています。
特定空き家に指定される基準や指定される前の対処法は、次の記事を参考にしてください。
更地の活用で固定資産税対策を!5つの軽減対策を紹介
更地は固定資産税の特例が受けられないため、宅地に比べて税額が大きく跳ね上がるデメリットがあります。
しかし親からの相続や住宅建築中の間など、やむを得ず更地の固定資産税を支払わなければならないケースも出てきますよね。
そんな事態に備えて、この章では少しでも固定資産税の負担を減らすための対策を紹介します。
土地活用で収入を得て、少しでも税負担を減らすという対策法を紹介します。
更地の固定資産税対策になる5つの土地活用法は、次のとおり。
ではそれぞれの更地活用法について、見ていきましょう。
【更地の固定資産税対策その1】駐車場経営で利益を得る
初期費用をかけず、簡単に始められる土地活用といえば駐車場経営ですよね。
月極駐車場などで一定の収入があれば、その賃料で固定資産税の値上がり分を賄えます。
駐車場経営は更地の固定資産税を少しでも減らすための、有効手段と言えるでしょう。
ただし、駐車場経営で収益性を期待するのなら話は別です。
固定資産税が高額になる一等地などの場合は、税額から駐車場賃料を差し引くとほとんど収入が残らないケースも珍しくありません。
駐車場経営のメリット・デメリットは、次の記事で詳しく解説しています。
【更地の固定資産税対策その2】賃貸住宅やアパート経営で利益を得る
駅から近いなどその土地の利便性が良い場合は、賃貸住宅やアパートを建てて経営するという選択肢もあります。
賃貸住宅経営は土地活用のなかでも高い収益が見込め、更地に比べて節税効果の高いことが最大のメリットです。
不動産投資の初期費用やその内容などは、次の記事で詳しく解説しています。
【更地の固定資産税対策その3】信託会社に運用して利益を得る
土地活用のなかには信託会社に土地を運用してもらい、収益の一部を受け取るという方法もあります。
信託会社に運用のすべてを任せられるので、土地活用の知識や経験は必要なく、自身で運用する手間も省くことが可能。
ただし必ずしも収益が出るわけではないので、運用がうまくいかない限り固定資産税の値上がり分をカバーできません。
また信託会社に対して、収益の5~20%程度の信託報酬を支払う必要があります。
土地信託を利用する際は、投資のメリット・デメリットを理解して、所有する土地と信託会社の相性をよく見極めることが大切です。
土地信託の流れやメリット・デメリットは、次の記事を参考にしてください。
【更地の固定資産税対策その4】農地に転用して税額を軽減させる
農地は更地や宅地よりも、固定資産税がかなり安くなるように評価されます。
更地を農地に転用できれば、更地のときに比べて固定資産税の納税額をぐっと下げることが可能です。
農地を誰かに貸して代わりに農業をおこなってもらえば、自らが農作業をおこなう必要もありません。
ただし更地を農地に転用するには、次の点に気をつける必要があります。
- 地目変更の際は農業員会の証明が必要
- 市街化区域の場合は節税効果を期待できない
- 農地を宅地に転用する場合は許可が必要
更地を農地に変更する際は、市役所等で農業員会から農地証明を発行してもらう必要があります。
ちなみに市街化区域にある更地は農地に転用したとしても固定資産税が宅地並みに評価されてしまうため、あまり節税効果を得られません。
また転用した農地を改めて宅地に変更する場合は、農業委員会からの許可が必要に。
地域区域によっては転用手続きや必要書類が異なるため、事前に自治体の窓口で相談するのがおすすめです。
更地を農地に転用して自身で農業を始める場合は、次の記事で農業の基礎知識や準備などを参考にしてください。
転用した農地をほかの農家に貸し付けられる「農地バンク」については、次の記事で詳しく紹介しています。
【更地の固定資産税対策その5】土地を売却して税負担を無くす
毎年の固定資産税を負担に感じている場合、いっそのこと更地を売却して手放すという手段も検討してみましょう。
更地の売却は古家付きに比べて、需要が多いことが大きなメリット。
売却条件にもよりますが、売り出して早期に買い手が見つかる可能性が高いです。
更地を相続する相手がおらず、今後とくに使う予定がなければ、早めに手放して固定資産税の負担をゼロにすることも得策といえます。
土地の売却方法や流れについて、詳しくは「土地の売却の流れや注意点など分かりやすく解説!」の記事を参考にしてください。
更地の固定資産税のしくみを理解して税負担を賢く抑えよう
固定資産税が通常の6分の1に軽減される住宅用地の特例は、相続した空き家にも適用が可能。
税金の上昇を恐れて、空き家をそのまま放置する人も増えています。
ただし放置された空き家が「特定空き家」に指定されると、更地と同様に固定資産税の特例が受けられません。
更地の固定資産税を安く抑えたい場合は、駐車場や賃貸住宅経営などの土地活用で利益を得ることがおすすめ。
利益を得ることで固定資産税の支払い分を賄えるため、少しでも税負担を軽減できます。
不動産投資を始める際はリスク面を十分に理解して、無理のない範囲で上手く土地を運用しましょう。
土地を所有しているといつかは値上がりするとか、売るのはいつでもできるから慌てないで持っていようなどと考える人が多かった時代は終わりました。
活用方法の見つからない遊休土地を所有していることが負担になるケースが増えてきて、抜本的な土地利用計画の見直しが迫られています。
キーワードはコンパクトシティです。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。