整地は土地を早く高値で売るのに効果的!費用、トラブル対策も解説
整地することで、早期かつ高値での売却が期待できます。
当記事ではまず、整地の種類や費用についてお伝えします。また売却前に整地するか判断しやすいよう、メリットや節約方法もまとめました。整地のトラブル防止策もお伝えしますので、売主は一度確認しておきましょう。
整地の仕上げ方法はさまざま!土地の利用目的によって変わります
整地の仕上げ方法には、次のようなものがあります。
コンクリート片や石(こぶし大)、木片、ガラスなどを手や重機で拾い上げた後、重機で均一に踏み固める。
粗整地よりもより丁寧にコンクリート片、石などを取り除いた後に、砕石や真砂土※などを敷いて重機で踏み固める。
水勾配(雨などが流れるようにするための斜面の程度)などを測った土地に砕石舗装をし、型枠やメッシュを入れた後にコンクリートで舗装をする。
土地売却では、粗整地または砂利整地が一般的です。
もしすぐに売れない場合でも、砂利整地であれば雑草や水たまりの予防もでき管理がしやすくなります。
ちなみに土間コンクリート・アスファルト塗装は、コインパーキングなど駐車場を目的とした整地として一般的な方法です。
整地費用は安くて数万円、土地の広さや状態によっては数百万円にも
整地にかかる費用は、整地の種類や土地の状態などによって大きく変わります。
基本となる整地の価格相場は、次のとおり。
土地の状態 | 価格相場 |
---|---|
特別な撤去作業がない | 300~600円 |
木の伐採や抜根、雑草除去が必要 | 約5,000円 |
山林など、木の伐採や抜根が必要 | 約2万~3万円 |
斜面など慎重さが必要 | <傾斜15度未満> 約1万~2万円 <傾斜15度以上> 約4万円 |
例えば特別な撤去作業などがなければ、費用は次のように計算できます。
また真砂土を敷いたり地上げしたりなど「特別な仕上げを施す」整地には、次のような費用が別途かかります。
仕上げの内容 | 価格相場 |
---|---|
真砂土を敷く | 3,500円~4,000円 |
砕石を敷く | 2,500円~5,000円 |
地上げする※ | 3,500円~5,000円 |
そのため、整地化にいくら必要なのかは断言できないのです。
ちなみに家など建物の解体付きで整地する場合、解体総額のうち3~5%が整地費用だと言われています。自分の土地を整地するにはいくらかかるのか、一度見積もりをとってみてもよいでしょう。
土地売却前の整地化によって、早期・高値での売却が期待できます
土地売却前の整地化には、次のようなメリットがあります。
- 買い手がつきやすくなる
- 高値での売却が期待できる
整地したキレイな土地は、建築など次工程への着手が容易です。また「きちんと管理されている」ことが見た目でわかりやすく、買主に好印象を与えます。
買主は少しでも扱いやすく価値のある土地を買いたいため、売却前に整地することで早期かつ高値での売却が期待できるのです。
すぐに売れない場合でも、整地は雑草などを予防できるため管理がしやすくなります。
・固定資産税が上がる
・解体費用がかかる
・建物を解体すると、新しく建てられなくなる
自分の土地がどんな土地なのか、詳しく調べてから整地するか決めることが大切です。
整地の費用を安く抑える方法は?節約のしすぎに注意しましょう
それぞれ、詳しくみていきましょう。
整地化前に自分でできる事はやろう!ただし時間がかかり怪我の恐れも
木片などの除去や草むしりを自分で行うことで、費用の節約が期待できます。
しかし素人による作業は、時間がかかる上に怪我などの恐れが。
また雑草は防草シートを張るなど適切な処理をしなければ、何度も生えてきてしまいます。結局自分で行った作業に、業者によるやり直しが必要となることもあるのです。
自分で行うのは最低限のみにし、基本的には「整地化は業者へ依頼するもの」と考える必要があるでしょう。
複数の業者へ整地の見積もり依頼をし、価格と作業内容を比較しよう!
複数社の見積もりを比較して、安価にできる業者はないか探してみましょう。
ただし、安すぎる見積もりには注意が必要。
人件費のムリな削減で雑な作業をされたり、高額な追加工事費用を請求されたりするかもしれません。
ホームページなどで作業内容の確認はもちろん、見積もり時に「作業人数」や「過去の請求事例」なども確認し、追加費用の見積もりも別途書面でもらうようにしましょう。
買主と整地費折半も可能!早期・高値で売りたい時は売主が全額負担を
「整地費用相談」として土地を売り出し、買主と費用負担を分けることも可能です。
ただし費用折半には買主の同意が必要なため、整地した状態で売り出すことはできません。
早く・高く売りたい場合は自己負担で、売却開始前に整地したほうがいいでしょう。
ちなみに建物の解体もある場合は、自治体の助成金を利用することもできます。自治体によって内容や金額は異なりますので、その場合は一度確認してみましょう。
整地化ですべき3つのトラブル防止策!自分できちんと把握しよう
整地化における主なトラブルは、次のとおり。
- ずさんな整地作業をされる
- 整地の仕上がりが希望と違う
- 売却後に土地の問題が見つかる
ずさんな整地作業の例には、「養生をきちんとしておらず、近隣から粉塵飛散などのクレームを受けた」「整地作業後なのにゴミが残ったままだった」などがあげられます。
また売却後に土地の問題が発覚すると、最悪の場合、買主から損害賠償を請求される可能性があります。
そうならないよう、次のような対策が必要です。
詳しくみていきましょう。
整地化を依頼する業者選びは慎重に!複数社の作業内容を比較しよう
依頼先 | 判断基準 |
---|---|
土木業者 | ・土地面積が100坪以上 ・土の高低を1m近く変更する |
解体業者 | ・住宅用地や駐車場などの小規模な工事 |
売却後に整地を行う場合は、ハウスメーカーなどによる紹介が一般的。売却前の場合は、不動産会社からの紹介のほか、インターネットなどで検索することもできます。
できれば複数社の作業内容を比較し、きちんと作業してもらえる業者に依頼しましょう。
業者と整地の完成イメージを共有しよう!作業後の現地確認も忘れずに
希望どおりに整地するには、業者に任せきりにせず、次の2点をきちんと行いましょう。
- 作業前に、完成イメージを業者と共有する
- 作業終了後、支払い前に現地確認をする
「整地後の舗装は真砂土で行ってほしい」「地面の傾きをなくしてほしい」など、具体的な希望は口頭ではなく書面で残しておくのがオススメ。
売却前に整地したら、売買契約書へ忘れずに記載したい2つのこと
売却後に「地中に大きな石が埋まっていて建築できない」などの問題が発覚すると、売主が損害賠償を請求される可能性があります。
未然に防ぐには、売買契約書へ次の2点の明記をし、買主に理解してもらうことが大切です。
- 土地の状態(整地作業の内容など)
- 瑕疵(かし)担保責任※の期間・内容
契約時に買主が気づかなかった欠陥(瑕疵)に対し、売主が責任を負う期間と範囲を定めたもの。民法では「買主は瑕疵を知ったときから1年間、売主に責任追及ができる」としています。
瑕疵担保責任は売主にとってとても重いルールなので、特約をつけて「担保責任の免除」や「担保期間の短縮」をすることが一般的です。土地に瑕疵がある場合に備え、忘れないようにしましょう。
瑕疵担保責任については、次の記事で詳しく解説しています。
放置した土地があれば、ぜひ整地しよう!トラブル対策も忘れずに
また当分売らない土地でも、整地しておくことで管理がしやすくなるメリットが。
空き地を手入れせず放置すると、害虫の発生や放火などのリスクが生じます。そのため一部の自治体では、いらない土地でも雑草の除去を義務化しているほど。整地化には雑草予防などが期待でき、売る・売らないに限らずオススメの方法です。
もちろん費用がかかりますし、業者トラブルなどもないようにしなければいけません。整地する場合は、慎重に進める必要があります。
もし整地に不安がある場合は、不動産会社などの専門家へ相談をしてみてもよいでしょう。当サイトでも、さまざまな視点で「不動産売却関連でのトラブル対策」について掲載していますので、参考にしてくださいね。
住宅街にある空き地の管理は所有者に責任があります。
不法駐車や廃棄物の投棄などやっかいなことになる前に、土地の整備や「看板」を立てて所有者や管理者の連絡先を明記しておくことも大切なことです。
売地の場合は現地看板が立っているものですが、時間が経過すると劣化も進みます。定期的なチェックも必要です。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。