おひとりさまの老後、資金や住まいはどう準備する?
独身高齢者の平均貯蓄額から、おひとりさまに必要な貯金額を解説
実際、一人暮らしの高齢者にはどれくらいの貯蓄があるのでしょうか。
総務省の「平成26年全国消費実態調査」による、独身世帯の男女の貯蓄残高は次のとおりです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
60~69歳 | 1611万円 | 1622万円 |
70歳以上 | 1501万円 | 1432万円 |
60代の平均貯蓄額は約1600万円、70歳以上の場合は男性が約1500万円、女性が約1400万円と、若干差が開きました。
これは、あくまで「平均値」。極端に貯蓄の高い人・低い人がいるために、偏った数値になっている可能性も高いんです。
将来はもらえる年金が減る可能性もあるので、平均額だけを目安にせず、自分のマネープランをしっかり考えましょう。
では次の章で、老後にもらえる年金(老齢年金)の支給額について説明します。
おひとりさまが老後にもらう年金はいくら?
原則65歳から、国民年金の被保険者には「老齢基礎年金」、厚生年金の被保険者には「老齢厚生年金」が支給されます。それぞれの年金額について見てみましょう。
【1】老齢基礎年金の支給額は『保険料を納めた期間』で決まる
老齢基礎年金の支給額は、満額で779,300円(平成30年度)。
保険料の免除制度を利用していない場合は、保険料の納付月数に応じて次のように計算されます。
免除期間がある場合の、老齢基礎年金の計算式は次のとおりです。
・保険料納付月数
・保険料全額免除月数
・保険料4分の1免除月数×8分の5
・保険料半額納付月数×8分の6
・保険料4分の3納付月数×8分の7
国民年金の支給額が減額・増額する仕組みについては、次の記事を参考にしてください。
【2】老齢厚生年金の支給額には『所得』が大きく影響する
厚生労働省年金局が調査した、平成28年度の老齢厚生年金の平均月額は次のとおり。男女別に紹介します。
年齢 | 平均年金月額 |
---|---|
60歳 | 121,853円 |
61歳 | 120,670円 |
62歳 | 92,332円 |
63歳 | 100,742円 |
64歳 | 103,399円 |
65歳以上 | 176,655円 |
年齢 | 平均年金月額 |
---|---|
60歳 | 53,381円 |
61歳 | 53,326円 |
62歳 | 49,449円 |
63歳 | 51,952円 |
64歳 | 97,761円 |
65歳以上 | 108,964円 |
おひとりさまにオススメ!老後資金を貯蓄する10の方法
方法 | 内容 |
---|---|
定期預金 | 「預入期間中は払い戻しをしない」という契約内容で預金する |
個人年金 | 民間保険会社の年金保険に任意加入し、年金を積み立てる |
投資信託 | 専門家(ファンドマネージャー)に投資を任せ、利益を還元してもらう |
株式投資 | 株主として株を購入し、配当金などの利益を得る |
ETF投資 | ・「上場投資信託」のこと ・証券取引所で売買できる |
iDeCo | 原則60歳まで掛金を積み立て、運用する |
つみたてNISA | ・「少額投資非課税制度」のこと ・一般NISAより年間の非課税枠が低く、非課税期間が長い |
金投資 | 金を保有し、必要時に売ることで利益を得る |
個人向け国債 | 国にお金を貸す(債権を購入する)ことで、国から定期的に利息を得る |
不動産投資 | 利益取得のためにアパート・マンションなどを購入する |
リタイアまでに老後資金を貯めようと思っても、必要額は予測できません。そのため老後も定期的に収入を得られるよう、個人年金などでお金を積み立てておくのもオススメです。
当サイトのカテゴリー「老後資金の貯め方とは?お金を増やすための9つの運用方法を紹介」では、このような貯蓄方法のメリット・デメリットや、活用のポイントをお伝えしています。
おひとりさまの老後、住まいは賃貸・持ち家どちらにすべき?
ところで老後に一人暮らしするなら、「賃貸」と「持ち家」どっちがいいんですか?
老後の住まいを「賃貸」にした場合の、メリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | ・初期費用が比較的安い ・手軽に転居できる |
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デメリット | ・家賃を払い続けなければならない ・高齢だと入居審査に落ちやすい ・リフォームできない場合が多い ・更新料や引越し費用がかかる |
賃貸のメリットは「手軽さ」です。持ち家ほど初期費用はかかりませんし、隣人トラブルなどの際も気軽に転居できます。
ただし賃貸を「終の棲家(ついのすみか)」にする場合は、生きている限り家賃を払い続けなければなりません。
バリアフリー仕様にするなどのリフォームはできない場合が多いので、老後生活に向いている物件を探す必要があります。
では「持ち家」の場合はどうでしょうか。
メリット | ・資産として残せる ・家賃を払い続ける必要がない ・自由にリフォームできる |
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デメリット | ・初期費用が比較的高い ・転居する際は売却または運用する必要がある ・修繕費がかかる |
老後の住まいとして持ち家を購入した場合、自分の好きなようにリフォームできます。老後にはバリアフリー仕様にすることも可能です。
また資産として残せるため、物件によっては「不動産売却」で利益を得やすいのもメリットです。
賃貸の場合は住んでいる限り家賃を払わなければなりませんが、マイホームなら支払い(住宅ローンの返済)が終われば金銭的負担も軽くなります。
また住む期間が長いほど老朽化していくので、高額な修繕費がかかる恐れもあります。
当サイトのカテゴリー「住宅ローンとは?損をしない借り方から返し方までご紹介」では、住宅ローンの基礎知識や借り方のポイントを分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
具体的な老後生活を想定して、目標額を考えよう
おひとりさまの老後資金として必要な額は、人それぞれ。
「どこで、どんな生活をしたいか」「どんな家に住みたいか」など理想の老後生活を具体的に思い描くと、目標額を明確にすることが可能です。
将来は年金額が減る、長生きリスクによって老後破産の可能性が高まるなどの恐れがあります。この記事で紹介した「貯蓄の平均額」より多めに準備しておくと安心です。
一人で老後資金を準備する場合は、定期預金などお金を引き出しにくい方法がオススメ。当サイトでは効率よく貯蓄する方法を紹介しているので、自分に合った方法で始めてみてくださいね。